2024.10.2再編集しました
世界には、日本でも定番となったもの、まだ日本ではあまり知られていないもの、日本で誕生したもの、など様々なお菓子が存在します。
今回は、ショートブレッドをテーマに、由来や歴史、作り方などをご紹介します。
ショートブレッドはどこ生まれのお菓子?
ショートブレッドはイギリス・スコットランド生まれのお菓子。
小麦粉・砂糖・バターのみで作るシンプルな焼き菓子で、他の焼き菓子と比べると色がやや白い印象です。
白い姿こそがショートブレッドの姿と言われることもあるそうで、焼き色はあまり付けません。
紅茶との相性も良く、イギリスでは定番のお茶請けです。
ショートブレッドの“ショート”は短いという意味ではなく、「サクサクした」「ホロホロした」という意味。
名前の通りサクサクした食感がショートブレッドの特徴です。
最も有名なウォーカーのショートブレッド
市販のショートブレッドで最も有名なのはWalkers(ウォーカー社)のものです。
1898年に設立されたウォーカー社は、創業者のジョセフ・ウォーカーが21歳の時に、50ポンドの融資と『世界一のショートブレッドを作る』という野心をもってベーカリーをオープンさせたのが始まり。
現在では、100ヶ国以上の国で親しまれています。
なぜ穴が開いてるの?
ショートブレッドには様々な形がありますが、よく見かけるのはフィンガーショートブレッドです。
長方形で表面に穴が空いているのが特徴で、この穴はオーブンで焼いている時に生地の水分を逃げやすくするために開けています。
この穴があることで、ショートブレッドのサクサク感が生まれるとも言われるそうです。
ショートブレッドの種類
ショートブレッドはシンプルなお菓子なので、バリエーションも豊富です。
フィンガーショートブレッドの他に有名なのが、ペティコート・テイルとミリオネア・ショートブレッドです。
- ペティコート・テイル
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大きな円形で外側にフリルのようなひだがあるのが特徴で、放射線状にカットしていただきます。
- ミリオネア・ショートブレッド
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キャラメルを乗せてチョコレートでコーティングしたもの。
億万長者のごとくリッチな味わいになっています。
他にもチョコやフレーバーを入れたもの、型抜きしたものなどショートブレッドの種類はたくさんあります。
ショートブレッドの由来・歴史
ショートブレッドのショートはサクサクしたという意味でしたが、「ブレッド」はどこからきているのでしょうか。
ショートブレッドの起源はラスクと言われていますが、ショートブレッドにイーストは入っていません。
ブレッドという名前が付いたのには別の理由があります。
昔は小麦粉やバターなどは贅沢品であり、これらの成分を使用した食品には課税がされていました。
パンは一般的な食品で課税の対象外だったので、ショートブレッドのような高級なクッキーを“ブレッド”と呼んで課税を回避したと言われています。
結婚式との関係
現在では手軽なお菓子ですが、昔は高級品でクリスマスや結婚式など特別な時だけに食べられるお菓子だったようです。
スコットランドのシェットランド諸島では結婚式に花嫁が新居に入るとき、ショートブレッドを頭上で割ると幸せになれるという言い伝えもあります。
ショートブレッドの作り方
ショートブレッドは、小麦粉・バター・砂糖を3:2:1の配合で作ります。
現在ではチョコチップが入ったもの、アーモンドやくるみなどのナッツが入ったもの、ラベンダーなどのハーブを練り込んだものなど様々なバリエーションがあります。
砂糖を増やすとサクサク感が出て、バターを増やすとホロホロとした食感に仕上がります。
材料
- 薄力粉 75g
- 無塩バター 50g※無塩バター推奨
- グラニュー糖 25g+外側にまぶす分
手順
- バターを1cm角にカットして、冷蔵庫で冷やしておく
- フードプロセッサーに薄力粉・バター・グラニュー糖を入れて撹拌する
※フードプロセッサーがない場合はボウルに入れ、指を使って全体がパン粉のようになるまで混ぜる - ひとまとまりになったら、棒状に伸ばして冷蔵庫で30分ほど休ませる
※柔らかい時は、冷蔵庫で冷やしてから行ってみてください - 冷蔵庫から出してカットしやすい固さになったら、外側にグラニュー糖をたっぷりつけて、1cm〜1.5cm幅にカットする
- 160℃に予熱したオーブンで15分焼く
作る時のコツ
- 冷蔵庫で休ませる
- 棒状のクッキーをカットするときは下に畳んだタオルを敷く
(形が崩れにくい) - シルパンを使用する
シルパンは、面に小さな穴があるシリコンベーキングマットです。
火の通りが均一になり、形のきれいなショートブレッドを焼くことができます。
おすすめアレンジ
おすすめのアレンジはイギリスでも親しまれている、ラベンダーシュガーを使ったショートブレッドです。
グラニュー糖150gにラベンダーハーブ5gを入れ、一週間ほど置くと作れるラベンダーシュガーをグラニュー糖の代わりに使用するだけ。
ラベンダーハーブは富澤商店などで売っています。
ビスケットとの違いは?
ビスケットに分類されるショートブレッドですが、材料や製法に違いがあります。
※ビスケットとクッキーは同じ意味です
ビスケットは卵が入るもの入らないものがあるのに対し、ショートブレッドは卵が入りません。
またビスケットは、作る時にバターをクリーム状にしてから砂糖や小麦粉を加えますが、ショートブレッドは小麦粉にバターを加えてパン粉のようにしてからお砂糖を加えて作ります。
あの商品はショートブレッドがモデル?
ショートブレッドの形は、日本のカロリーメイトによく似ています。
実はカロリーメイトはショートブレッドをモデルに、手軽に食べられる朝食として作られました。
ショートブレッドはバターや小麦粉を使用するためカロリーがやや高いですが、カロリーメイトはヘルシーに仕上げるため、開発に苦労したそうです。
今回はショートブレッドについてご紹介しました。
形やフレーバーなど色々な種類があるので、ぜひお気に入りを見つけてみてください。