スコーンはどこ生まれのお菓子?
スコーンはイギリスのスコットランド地方発祥のパンの一種です。
パンよりもお菓子として認識されていて、アフタヌーンティーには欠かせない存在です。
クリームやジャムをのせて食べるのが定番で、19世紀半ばにオーブンが普及したことで現在の形になったと言われています。
最近では日本でもスコーンの特集が組まれたり、英国展などで話題になるなど、人気も高まっています。
クリームティーって何?
クリームティーと聞くと『クリームが入った紅茶のこと?』と思いますが、ティールームで見かけるクリームティーとは、紅茶とスコーンのセットのことです。
ホテルなどで人気のアフタヌーンティーに比べると気軽に楽しめるとあって、クリームティーはイギリスの午後には欠かせないそうです。
紅茶はミルクティーやアールグレイをあわせるのが人気なんだそう。
クロテッドクリームとは?
ちなみにスコーンにはジャムとクロテッドクリームが添えられていて、そのクリームはクロテッドクリームといいます。
日本ではあまり馴染みのないクリームですが、こっくりとしたこのクリームはスコーンとの相性が抜群です。
クロテッドクリームは脂肪分が約60%の生乳由来のクリームで、バターと生クリームの間というとイメージしやすいかもしれません。
ジャムとクリームどちらを先に乗せる?
スコーンにつけるジャムとクロテッドクリームの話になると、必ず出てくる疑問が『スコーンに乗せるのはクリームが先か、ジャムが先か』というもの。
クロテッドクリームの名産地であるデヴォン州とコンフォール州では、それぞれ順番が違います。
クロテッドクリーム⇒ジャム、の順に乗せていただくのがデヴォン式
ジャム⇒クロテッドクリーム、の順に乗せていただくのがコンウォール式
どちらが正解かで、度々論争が起こるそうです。
私はジャムを先に乗せているので、コンフォール式の食べ方をしていました。
『どちらかが間違い』というわけではないので、好みの食べ方を見つけてみてください。
スコーンの由来・歴史
スコーンの名前の由来は、ゲイル語(スコットランドの古い言葉)の『Sgonn』(=ひと口大)という説や、『良質な白いパン』という意味のオランダ語schoonbrootやドイツ語のsconbrotを語源としたという説もあります。
でも、最も有名なのは「運命の石(The stone of Scone)」という神聖な石に関連しているというもの。
この石はスコットランド・バースにあるスコーン城の歴代国王の戴冠式に使われた椅子の土台であり、元々は古代エジプトのツタンカーメン王の玉座の下にあったと言われています。
この神聖な石に由来しているという理由から、スコーンをナイフを使わずに手で割るマナーが生まれたとされています。
手で割ることで、神聖な石に対する敬意を示すと同時に、スコーンの本来の風味や食感を最大限に楽しむことができます。
スコーンはどうやって作るの?
スコーンは以下のような材料を使い作ります。
- 小麦粉
- ベーキングパウダー
- 砂糖
- バター
- 牛乳
生地は小さく切ったバターや粉類をパン粉のようになるまで混ぜて作ります。
バターを溶かさないように気をつける必要がありますが、材料を事前に冷やしておくこと、出来上がった生地はしっかりと寝かせることで、美味しいスコーンが出来上がります。
型抜きがない場合は包丁で四角くカットしても美味しく作れますし、比較的作るのが難しくないお菓子かなと思います。
お菓子にも朝食にもおすすめですし、何より焼きたてはとっても美味しいです!
もし『スコーンを作ってみたい!』『詳しいレシピが知りたい』という場合は、是非この後のプレーンスコーンのレシピも合わせてお読みください。
プレーンスコーンのレシピ
材料
- 強力粉 270g
- 薄力粉 120g
- バター 90g
- ベーキングパウダー 15g
- きび砂糖 20g(上白糖やグラニュー糖でもOK)
- 塩 ひとつまみ
- 卵 2個(卵黄1個と卵黄1+卵白2個に分けて使います)
- 牛乳 180g、小さじ1/2程度
※たくさん食べたくて多めの量になっています。
半分の量で作る場合は…
- 強力粉 135g
- 薄力粉 60g
- バター 45g
- ベーキングパウダー 7g
- きび砂糖 10g(上白糖やグラニュー糖でもOK)
- 塩 ひとつまみ
- 卵 1個(半分の場合1個:卵黄を少しだけ塗るようにとっておく)
- 牛乳 90g、少々
作り方
バターを1cm角にカットして、使うまで冷蔵庫で冷やしておく
フードプロセッサーに(強力粉・薄力粉・バター・ベーキングパウダー・きび砂糖・塩)を、2回〜3回くらいにわけて入れて混ぜる
※フードプロセッサーがない場合はボウルに入れ、ヘラなどでカットするように混ぜて、バターの形が無くなって全体がパン粉のようになるまで混ぜる
生地をボウルに移して、卵(卵黄1個+卵白2個分)と牛乳を混ぜたものを入れてゴムベラで切るように混ぜる
少し粉っぽさが残るくらいになったら、しっかりと打ち粉をした台に出す
手のひらを使って平たく伸ばして畳むを4回くらい繰り返す
ラップで包んで冷蔵庫で30分休ませる
しっかりと打ち粉をして、厚さ2cmくらいに伸ばして型でくり抜いたら(包丁でカットでもOK)クッキングシートに乗せる
卵黄と少量の牛乳(小さじ1/2程度)を混ぜ合わせたものを表面に塗る
200℃に予熱したオーブンで15分焼く
作る時のコツ
生地を伸ばすときや型抜きする時は、打ち粉をしっかりめにするとベタつきません。
型抜きした生地の側面は手を触れないようにして焼くと、いい感じの割れ目ができます。
ポイントは生地をしっかりと冷やすことです。
残った生地をもう一度伸ばして型抜きする際も冷蔵庫で30分くらい休ませると、生地がキレイに縦に立ち上がります。
最後に余った生地は丸めてもOK♪(私は最後は丸めちゃいます)
強力粉と薄力粉の量を逆にしても作ることができます。
その場合強力粉メインで作る今回のレシピよりベタつくため、型抜きの際はよりしっかりめに打ち粉をしてください。
食感はふわっとしていてマフィンやパウンドケーキのような感じに近くなります。
スコーンの腹割れとは?
スコーンの“腹割れ”とは、スコーンの側面に見られる割れ目のこと。
オーブンで焼いた際に生地が膨らみ、割れ目がつきます。
この腹割れがはっきりとあるものが美味しいスコーンの証と言われているので、お店でスコーンを見つけた際はぜひ腹割れにも注目してみてください。
ちなみにこの腹割れは“狼の口(Wolf’s Mouth)”と呼ばれています。
ギザギザに入った割れ目が狼の口に似ていることから、このように名前で呼ばれるようになったそうです。
『腹割れしない』の対策は?
スコーンを作る際の悩みで多いのが『上手に腹割れしない』というものです。
お店で並ぶような腹割れのあるスコーンを焼くポイントは何なのでしょうか?
- 材料をしっかりと冷やしておく
- 生地をこねすぎない
- 型抜きした後は側面を触らない
生地と焼く時の温度差がある方がしっかりと膨らみ腹割れも起こりやすくなります。
材料をしっかりと冷やしておく
生地と焼く時の温度差がある方がしっかりと膨らみ腹割れも起こりやすくなります。
材料は使う直前まで冷蔵庫で冷やすと良いです!
生地をこねすぎない
こねないように、伸ばして折り重ねるというやり方だと生地がキレイに膨らみます。
パンを作る時のようにこねてしまうと、うまく膨らまず重たいスコーンになってしまいます。
型抜きした後は側面を触らない
型抜きの後側面を触ってしまうと、手の温度でバターが溶け折り重ねて出来上がった層が潰れてしまいます。
そうなるとうまく縦に膨らまないので、鉄板に移動する際は気をつけてみてください。
クロテッドクリームは作れる?
美味しいスコーンが焼き上がったら、本場のようにジャムやクロテッドクリームを合わせて食べたいですよね。
ジャムは比較的どこでも手に入りますが、クロテッドクリームは置いてないお店もあるかと思います。
でも、クロテッドクリームは手作りすることができます。
ぜひ手作りして焼き立てのスコーンに合わせてみてください。
オススメのレシピはこちら
材料1つ!簡単クロテッドクリームのレシピ・作り方
生クリームさえあれば、簡単にクロテッドクリームを作ることができます!
アメリカとイギリスのスコーンの違いは?
これまで紹介したのはいわゆる『イングリッシュスコーン(イギリス式)』と呼ばれるものです。
『アメリカンスコーン(アメリカ式)』は、スターバックスコーヒーなどで見かける三角形の比較的大きなスコーンです。
アメリカンスコーンはチョコレートが入っていたり、抹茶などのフレーバーがついていたり、ソースがかかっていたりするので、イングリッシュスコーンのようにジャムやクリームは付けずにそのまま食べるのが一般的です。
生地はザクッとした食感で、イングリッシュスコーンが紅茶に合わせるのに対して、こちらはコーヒーとあわせるのがおすすめです。
アメリカのスコーンのおすすめレシピ
アメリカンスコーンを作ってみたい!という場合は以下のレシピがおすすめです。
ザックリ☆簡単アメリカンスコーン
薄力粉や強力粉を使って作る本格派なアメリカンスコーンです。
強力粉が入ることで、よりザクッとした食感を楽しめます!
☆HMチョコスコーン☆
私も何度もお世話になっている、ホットケーキミックスで作るアメリカンスコーンです。
材料がたった4つで、生地を作って焼くまで慣れれば10分でできちゃいます!
まとめ
今回はスコーンについてご紹介しました。
- スコーンはスコットランド発祥のお菓子
- クリームティーはスコーンと紅茶のセットのこと
- クロテッドクリームは脂肪分の高いクリーム
- ジャム・クリームの乗せ方はデヴォン式とコンウォール式がある
- スコーンはツタンカーメンの王座の下にあった石に関係している
- スコーンを作る時は、材料をよく冷やすのがポイント
- スコーンの腹割れを狼の口と呼ぶ
- クロテッドクリームは生クリームがあれば作れる
- アメリカンスコーンは形と合う飲み物、ジャムなどを付けないという違いがある
朝ごはんやのんびり過ごせる午後のおやつはスコーンがおすすめです。
紅茶やクリーム・ジャムとともに、美味しいスコーンを楽しんでください。
機会があったらぜひ手作りスコーンにも挑戦してみてくださいね!