パブロバはどこ生まれのお菓子?
丸く焼いたメレンゲの上に、生クリームや苺などをトッピングした可愛らしいお菓子、パブロバ(パブロヴァ)。
発祥はニュージーランドやオーストラリアで、レストランやケーキ店だけでなくスーパーでも売られているほど広く親しまれています。
メレンゲというとメレンゲクッキーのようにサクサクした食感をイメージしますが、パブロバに使うメレンゲは少量のお酢を入れ、外はサクッと中はマシュマロのような柔らかさがあります。
南半球はクリスマスが夏なので、パブロバはクリスマスケーキとしても人気なんだとか。
オーストラリアやニュージーランドのお菓子や料理にはイギリス起源のものが多いですが、パブロバは逆で、イギリスに伝わりイギリスでもメジャーなお菓子になっています。
パブロバの由来・歴史
パブロバという名前は20世紀前半に活躍し、世界各地で公演を行った初めてのダンサーとされているアンナ・パブロワが由来。
彼女のために作られたお菓子で、大きなメレンゲやフルーツはバレエのチュチュをイメージしたものなんだそうです。
発祥についてはニュージーランドとオーストラリアが名乗りをあげていて、パブロワは1926年の公演旅行で両国を訪れているため、長年論争が続いていました。
ですが近年では、最古のレシピはニュージーランドのゼラチンメーカーが1927年に発行した料理書であると認識されるようになりました。
もともとは色付けしたゼリーを何層にも重ねチュチュに似せたデザートが、後にメレンゲを使用しホイップクリームとフルーツを飾った華やかなお菓子に変化したそうです。
パブロバはどうやって作るの?
パブロバは以下のような材料を使って作ります。
- 卵白
- 砂糖
- コーンスターチ
- ビネガー(酢)
- 生クリーム
- ストロベリーやブルーベリーなど
メレンゲはしっかりと泡立て、クッキングシートに丸くおいてふちが高くなるように整えて、低温で焼き上げます。
焼き上がったあともオーブンに入れたまま冷まします。
メレンゲは湿気に弱く、湿気があるとあっという間に柔らかくなってしまうので、サクサク感があるうちにたっぷりのクリームとフルーツでいただくのがおすすめです。
トッピングのフルーツはいちごの他にラズベリー、キウイやパッションフルーツを使うことが多いようです。
作るとき注意することは?
パブロバを作る上で注意が必要なのは、メレンゲを焼く時のオーブンの温度です。
ご家庭のオーブンの性能によって焼き上がりは変わりますが、高温で焼いてしまうとメレンゲに焼き色が付いてしまいます。
また、焼き上がってすぐオーブンを開けて冷ましてしまうと、湿気で柔らかくなってしまったり、サクサクの食感がなくなってしまうことがあります。
低温でじっくりと焼き、オーブンの中で冷ますときれいなメレンゲが出来上がります。
なぜお酢を入れるの?
パブロバに使用するメレンゲは、少量のお酢を入れることで中が柔らかく仕上がります。
外はサクサク、中はふわっと仕上げるためにはお酢を入れる必要があります。
また、お酢を入れることで焼き縮みを防ぐことができるそうです。
海外のレシピでは白ワインビネガーを使うものをよく見かけますが、日本で売られているお酢でも作れます。
お酢を入れても、焼き上がったメレンゲはお酢の香りや酸味は無いのでご安心を。
甘さ控えめでも作れる?
海外のパブロバのレシピを見ると、“卵白4個に砂糖250g”や“卵白6個に砂糖270g”など、その砂糖の量に驚きます。
実際に『お砂糖食べてるのかな?』と思うほど甘く、半分で『もう良いかな…』と思ってしまいます。
メレンゲを作る際に砂糖を入れる理由は、砂糖が卵白の水分を吸収することで泡を安定させ、きめ細やかでなめらかにするためです。
なので、減らしすぎるとメレンゲが安定しない可能性がありますが、減らしてもメレンゲを作ることはできます。
下記の【実際に作ってみました】で、卵白3個に対して砂糖130gで実際に作ってみましたので、そちらも合わせてご覧ください。
コーンスターチを使用しないで作れる?
メレンゲクッキーを作る際にコーンスターチを入れると、時間経過によってベタつくのを防いでくれます。
コーンスターチがない場合は片栗粉で代用可能ですが、コーンスターチが無いからメレンゲが作れない、というわけではないので、無くても作れます。
個人的には砂糖+卵白で作ったときより、砂糖+卵白+コーンスターチで作ったメレンゲの方がきれいに泡立つ気がするので、メレンゲクッキーを作る際にはコーンスターチを入れるようにしています。
パブロバのおすすめレシピ
卵白・砂糖・コーンスターチ・生クリームなど、用意しやすい材料でパッと作れるパブロバ。
まだまだ食べれるお店も多くないので、手作りしてみるのもおすすめです♪
苺のパブロバ
クックパッドにある、基本的なパブロバの作り方を教えてくれるレシピです。
動画もあるので、初めて作る人にもおすすめです。
~真夏のクリスマスのパブロバ~より「パブロバ」
NHKの人気番組『グレーテルのかまど』で紹介されたパブロバのレシピです。
薄く焼いたメレンゲとクリームやフルーツで、3層に仕上げたデコレーションケーキのようなパブロバになっています。
「bills」のビル・グレンジャー直伝!絶品スイーツ「パブロバ」を作ろう
こちらはなんとbillsのオーナーであるビル・グレンジャー本人がパブロバの作り方を紹介しています。
卵白に砂糖とブラウンシュガー、レモン汁を使用したメレンゲに、ヨーグルトクリームをトッピングします。
実際に作ってみました
今回は上記のレシピの1つ目の『苺のパブロバ』を参考に、実際にパブロバを作ってみました。
本来はお酢を少し入れるのが一般的な作り方なのですが、今回は“お酢を入れたもの”と“入れないもの”の、2種類作ってみました。
材料
- 卵白 3個分
- 粉砂糖 80g
- グラニュー糖 50g
(今回は余っていた粉砂糖を使うために2種類になりましたが、グラニュー糖130gでもOKです) - コーンスターチ 小さじ2
- お酢 小さじ1/2
※通常は小さじ1
(今回はメレンゲの半量に使うため、お酢もレシピの1/2の量にしています) - バニラエッセンス 4振りくらい
- ホイップクリーム
- キウイ
- 冷凍ベリーミックス
- その他ハーブなど(お好みで)
今回はいちごを用意できなかったので、イオンで売っていた冷凍のミックスベリーを買ってみました。
(ブルーベリー・ラズベリー・ストロベリー・ブラックベリーの4種類入っています)
ベリーミックスは、冷蔵庫でゆっくり解凍してからトッピングに使用しました。
以前、レシピ通りに作った際甘みが強かったので、今回は砂糖の量を190g⇒130gに減らしています。
手順
今回はスタンドミキサーを使用していますが、手持ちの電動ミキサーでも同じです。
今回は2種類のパブロバを作るために、バニラエッセンスを加えた後半分を別のボウルに入れ、片方にお酢を入れています。
目印として、裏側に直径10cmの丸を描いたクッキングシートの上にのせました。
左がお酢あり、右がお酢無しですが、今の所違いはありません。
余ったメレンゲは絞り出してメレンゲクッキーにしました。
作ってみた感想
以前レシピ通り『180℃で予熱して150℃に下げてから焼く』というやり方で焼いたら焼き色が付きすぎてしまったため、今回は100℃で2時間にしてみました。
メレンゲは淡く色づく程度で、中は柔らかい仕上がりになりました。
個人的にはもう少し長く焼いてもいいかなと思う仕上がりだったので、2時間半くらいに時間を伸ばすか、メレンゲを薄い形に仕上げるのをおすすめします。
砂糖は130gにしてみましたが、個人的には甘すぎず丁度いい甘さで、そこに酸味のあるキウイやストロベリーがよく合いました。
メレンゲ自体に甘みがあるので、生クリームは甘さ控えめでも良いと思います。
生クリームは気持ち柔らかめに泡立てるとトッピングしやすいのでおすすめです。
軽い食感ではありますが、メレンゲの甘みと生クリーム、更にフルーツも乗っているので1個で十分満足できるデザートになりました。
お酢を入れるのと入れないので違いは?
左側がお酢を入れたメレンゲで、右側がお酢を入れずに焼いたメレンゲです。
焼いた後も見た目には違いは見られません。
どちらも外側がサクサクで、中はふわっと柔らかく仕上がりました。
お酢無しの方も中が少し柔らかくなってしまいましたが(中までサクサクの予定でした)、生という程ではなく、ふわっと溶けるような感じの食感でした。
お酢ありの方は、お酢無しに比べて少しねっとりするような食感でした。
『少し焼きが足りなかったかな』と思ったので、追加で30分ほど(100℃)焼いてみたら、お酢無しは中までサクサクに仕上がりました。
(お酢ありは中は柔らかかったです)
パブロバは『中が柔らかく仕上がるのが正解』と聞きますが、個人的にはサクサクに仕上がるお酢無しが好きです。
お好みで作ってみて下さい♪
パブロバは日持ちする?
焼いたメレンゲに生クリームやフルーツをトッピングした場合、すぐに食べるのがおすすめです。
生クリームやフルーツの水分をメレンゲが吸ってしまうと、サクサク感が失われてしまうからです。
でもトッピングをしていないメレンゲクッキーの状態であれば保存することができます。
メレンゲクッキーの保存方法
メレンゲクッキーは乾燥剤と一緒に密閉容器にいれて保存します。
乾燥剤を入れないと、季節によっては数時間後には湿気を吸って柔らかくなってしまいます。
我が家はジップロックに乾燥剤と一緒に入れて保存しますが、1週間くらいはサクサクなままです!
乾燥剤は100円ショップでも購入できるので、乾燥剤と一緒に保存してみてください。
パブロバは低カロリー?
パブロバはバターや小麦粉を使用しないため、低カロリーだと言われています。
メインとなる卵白は卵1個分でわずか17kcal、フルーツもトッピングに使うくらいでしたら50kcalいかないくらいカロリーは低いです。
(いちご3粒、キウイ1/2個、ブルーベリー5粒で計算)
【実際に作ってみました】でご紹介したパブロバでカロリーを計算すると、トッピングも含めて1つ約265kcalでした。
メレンゲに使う砂糖とホイップクリームはカロリーが高めなので、砂糖とホイップクリームの量を調整すればもっとカロリーオフすることも可能です。
ちなみにショートケーキなら1つ354kcal、モンブランなら1つ408kcal、チーズケーキなら1つ295kcalなので、パブロバはカロリーが低めのスイーツと言えます。
※各ケーキのカロリーはカロリーSlismより
日本でパブロバが食べれるお店
パブロバを食べれるお店はまだ多くはありませんが、いくつかのお店ではパブロバを提供しています。
京都にはパブロバの専門店もあるので、京都に行った際はぜひ行ってみて下さい♪
bills(ビルズ)
パブロバが食べられるお店として有名なのは、東京・神奈川・大阪・福岡に店舗があるbills(ビルズ)です。
朝食が有名なbillsですが、ランチやディナータイムにパブロバを頼むことができます。
ブラウンシュガーとピスタチオを使用したパブロバは、【パブロバのおすすめレシピ】に動画へのリンクも載せています。
(@bills_japan) September 29, 2020🌞テラスが気持ちいい季節✨[PR]https://t.co/5OSBNQcaBM
— レッツエンジョイ東京 (@enjoy_tokyo) September 22, 2021
思い立ったら海までリフレッシュドライブ🚗
潮風を感じる「bills お台場」のテラス席で、贅沢な朝ごはんを満喫してきました😊 話題のスイーツ、パブロバは外せない一品です💛 pic.twitter.com/DJDORhvsGP
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Arossa(アロッサ)
Arossa(アロッサ)は渋谷や銀座で長年愛されているオセアニア料理のお店です。
こちらでもデザートにパブロバがあります。
オーストラリアやニュージーランドの味を楽しんだ後のデザートとして是非♪
オーストラリア料理店「アロッサ渋谷」。お洒落な店内で食べるコースランチで人生初のカンガルー肉を体験しましたが、大変美味しかったです。
— タクト改二丙🇬🇧@艦撮頑張る (@HMS_Takuto) September 5, 2020
またデザートのパブロバは夏にぴったりなデザートでした。
また食べたいです。 pic.twitter.com/zLu65DoV84
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SAVON’S BAKE FACTORY TAMAYURAN(たまゆらん)
京都市左京区にある小さな町家カフェのSAVON’S BAKE FACTORY TAMAYURAN(たまゆらん)。
こちらでは季節のフルーツを使用したパブロバを提供しています。
春にはいちご、夏には白桃、秋には柿や胡桃と他では味わえないパブロバが楽しめます!
おはようございます。
— SAVON’S BAKE FACTORY TAMAYURAN (@kyoto_tamayuran) September 22, 2023
本日も14:00からオープンいたします。
シャインマスカットとピオーネのジュレパフェ
柿と胡桃とキャラメルのパブロバ
18:00からはコーヒーゼリーも。
数は限定ですがご用意してお待ちしております。 pic.twitter.com/gpCxYIqL5U
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Pavlova studio(パブロバスタジオ)
こちらも京都のお店ですが、Pavlova studio(パブロバスタジオ)は珍しいパブロバの専門店です。
3時間かけてじっくりと乾燥させたメレンゲは、焼いたとは思えないくらい美しい白色を保っています。
見た目も美しいドーム型のパブロバや板状のメレンゲを使用したミルフィーユのようなパブロバなど、食べるのがもったいないくらい目でも楽しめるパブロバになっています。
【カフェ好き韓国女子たち注目のスイーツ】
— るるぶ&more. (@rurubuandmore) February 21, 2023
ケーキのようでケーキじゃない、生クリームのようで生クリームじゃない。韓国のイマドキ女子たちが注目しているスイーツが「パブロバ」です。京都にオープンした「Pavlova studios」で、初めてのパブロバを体験してきました!https://t.co/uOzjzfm5PV pic.twitter.com/WMPMlc1LcC
\ 公式Instagramはこちら /
まとめ
今回はパブロバについてご紹介しました。
- パブロバはニュージーランドやオーストラリアで親しまれているお菓子
- 名前の由来はバレエダンサーのアンナ・パブロワ
- 最古のレシピはニュージーランドのゼラチンメーカーの料理書
- メレンゲは湿気に弱いため、出来上がったらすぐ食べるのがおすすめ
- メレンゲクッキーの状態なら、乾燥剤と一緒に密閉容器で1週間程度保存可能
- メレンゲにお酢が入ると、しっかり火を通しても中は柔らかく仕上がる
- サクサクの食感がお好みならお酢なしで
- billsやオセアニア料理店でパブロバを提供していて、京都には専門店もある
パブロバはメレンゲを焼くのに時間はかかるものの、作り方は簡単で、お好みのフルーツを盛り付ければ可愛いデザートになります。
クッキーやカスタードなど、卵黄を使うお菓子を作った時に卵白が余ったら、ぜひパブロバを作ってみて下さい!