サクサクのパイ生地に、とろりとしたカスタードクリームが入った「パステル・デ・ナタ(Pastel de nata)」。
日本ではエッグタルトとしても親しまれていますが、実はポルトガルで生まれた伝統的なお菓子です。
今回は、パステル・デ・ナタの名前の意味や歴史、マカオのエッグタルトとの関係などをご紹介します。
パステル・デ・ナタとは?

パステル・デ・ナタは、ポルトガル発祥の小さなカスタードタルトです。
薄いパイ生地に卵黄を使ったカスタードクリームを流し込み、高温のオーブンで焼き上げます。
表面にこんがりとした焼き色がついているのが特徴で、サクサクの生地とクリーミーなカスタードの組み合わせが楽しめます。
ポルトガルではカフェや菓子店で親しまれており、好みでシナモンパウダーや粉砂糖をふりかけて食べることもあります。
コーヒーと一緒に楽しむのにもぴったりのお菓子です。
パステル・デ・ナタの名前の意味

ポルトガル語で「Pastel(パステル)」は小さなパイや菓子、「Nata(ナタ)」はクリームを意味します。
つまり、パステル・デ・ナタは「クリームのパイ菓子」といった意味の名前です。
ちなみに、複数形は「Pastéis de nata(パステイス・デ・ナタ)」。
ポルトガルのお店でいくつも並んでいるのを見かけたら、こちらの名前で紹介されているかもしれません。
エッグタルトとの違いは?
パステル・デ・ナタとよく似たお菓子に、マカオ式や香港式のエッグタルトがあります。
実は、マカオ式のエッグタルトは、ポルトガルのパステル・デ・ナタをもとにアレンジされたお菓子です。
どちらもサクサクのパイ生地と、表面にこんがり焼き色がついたカスタードが特徴ですが、大きな違いのひとつはカスタードの作り方にあります。
ポルトガル式では、カスタードを鍋である程度加熱してからオーブンで焼く伝統的な製法があるのに対し、マカオ式では、加熱前のカスタード液をパイ生地に流し込んで焼き上げる製法が知られています。
(参考:Macao News「Bites of heritage: How do Macao’s egg tarts differ from Portuguese pastel de nata?」)
一方、香港式のエッグタルトは、表面に焦げ目のない黄色いカスタードが特徴です。
生地には、クッキーのようなタルト生地や、サクサクのパイ生地が使われます。
同じエッグタルトでも、地域によって生まれた背景や作り方に違いがあるようです。
パステル・デ・ナタの由来・歴史

パステル・デ・ナタのルーツは、ポルトガルの首都リスボンにある「ジェロニモス修道院」にあるとされています。
ポルトガルでは、修道院で生まれたお菓子が数多くあります。
当時、修道院では衣服の糊付けなどに卵白を使っており、余った卵黄をお菓子作りに活用していました。
パステル・デ・ナタも、そのような修道院のお菓子文化の中で生まれたと伝えられています。
1820年の自由主義革命後、ポルトガルでは修道院を取り巻く環境が大きく変わり、1834年にはジェロニモス修道院が閉鎖されました。
その後、修道院のレシピは近くの製糖所へと伝わり、1837年には「パステイス・デ・ベレン(Pastéis de Belém)」というお店が誕生します。
このお店は現在も営業を続けており、伝統のレシピを守りながらパステル・デ・ナタを作り続けています。
パステイス・デ・ベレン(Pastéis de Belém)で作られるパステル・デ・ナタは「パステル・デ・ベレン」として親しまれています。
パステル・デ・ナタは自宅でも作れる!

パステル・デ・ナタは、市販の冷凍パイシートを使って自宅でも作ることができます。
パイ生地をくるくると巻いてカットし、型に沿わせて、カスタードを流し込んで焼くのが特徴です。
焼き上がったパイの底には、うっすらと渦巻き模様が見られることもあります。
私も冷凍パイシートを使って、パステル・デ・ナタを作ってみました!
実際に使った材料や写真付きの作り方、サクサクに仕上げるコツなどは、こちらの記事でご紹介しています。

まとめ
ポルトガルの伝統菓子「パステル・デ・ナタ」。
サクサクのパイ生地と、こんがり焼き色のついたカスタードクリームが特徴のお菓子です。
その歴史をたどると、修道院での卵黄の活用や、現在も続く老舗菓子店とのつながりが見えてきます。
日本でもエッグタルトとして親しまれているお菓子ですが、名前や歴史を知ると、また違った楽しみ方ができそうですね。


