シフォンケーキはどこ生まれのケーキ?
軽くてふんわりとした食感が人気のシフォンケーキ。
スポンジケーキの一種で、卵白を泡立てたメレンゲを使うのが特徴です。
このメレンゲがシフォンケーキの軽さとふんわりとした食感を生み出しています。
シフォンケーキはアメリカ生まれのケーキで、1980年代に日本にも伝わったと言われています。
シフォンケーキの“シフォン”ってどういう意味?
“シフォン”はフランス語で”シルク”を意味します。
洋服などでよく聞くシルクですが、シフォンケーキのふわっとした食感やシフォンのような軽さ・生地のきめの細かさなどの特徴から、“シフォンケーキ”と名付けられました。
真ん中に穴があるのはなぜ?
シフォンケーキは他のスポンジケーキと違い中央に穴がある特殊な形をしています。
専用のシフォン型は中央に筒状の穴があり、これによって熱を均等に行き渡らせ生焼けを防ぐことができます。
シフォンケーキは焼き上がった後は型ごと逆さまにして冷ましますが、これも他のケーキではあまり見られない特徴です。
逆さにして冷ますことで生地がしぼむのを抑え、ふんわりとした食感とキレイな形を保つことができます。
シフォンケーキの由来・歴史
シフォンケーキは泡立てた卵白で作られるエンゼルフードケーキを元に、1927年アメリカ・ロサンゼルスの料理愛好家であるハリー・ベーカーが考案しました。
エンゼルフードケーキとは?
エンゼルフードケーキは卵黄や油を使わずに、卵白・小麦粉・砂糖のみで作るケーキです。
シフォンケーキの型を使うので仕上がりの見た目はほぼシフォンケーキですが、ノンオイルなのでヘルシーでふわふわもっちりとした食感が楽しめます。
このエンゼルフードケーキもアメリカ生まれのケーキです。
食感や軽さからシフォンケーキと名付けられセレブや有名人の間で大人気になりましたが、そのレシピは誰にも明かされること無く、20年間謎に包まれていました。
1947年に、このレシピは食品会社大手のゼネラル・ミルズ社に売却され、材料に植物油を使用することが明らかになりました。
このレシピは雑誌でも紹介され1940〜1950年代のアメリカでのシフォンケーキブームにつながったそうです。
シフォンケーキの歴史は比較的新しいものですが、日本でも定番のケーキの1つとして親しまれています。
専門店では、紅茶や抹茶、ココアやバナナ、ストロベリー、カフェオレ、桜など幅広いフレーバーが存在し、そのバリエーションの豊富さもシフォンケーキの魅力です。
シフォンケーキはどうやって作るの?
シフォンケーキは以下のような材料を使って作ります。
- 卵
- 小麦粉
- 砂糖
- サラダ油
- 牛乳(もしくは水)
卵黄・砂糖・サラダ油・小麦粉を混ぜた生地としっかりと泡立てたメレンゲを混ぜ合わせて、専用の型で焼き上げます。
焼き上がったら、完全に冷めるまで型ごと逆さにしておきます。
メレンゲを作るのに時間がかかりますが、材料や工程はあまり多くないので、慣れれば比較的簡単に作ることができます。
なぜサラダ油を使うの?
他のケーキと違い、シフォンケーキはバターを使わず、サラダ油を使うのが特徴です。
サラダ油はバターよりも軽い油であり、生地に混ぜ込むことで軽やかさを引き立てます。
バターは固形の脂肪分を含むため、よりしっとりとした重みのあるケーキになります。
バターを使用した場合でも生地の温度を30℃以上に保つことで、ふわっとした柔らかい食感に仕上がります。
どうやって型から外したら良いの?
シフォンケーキを焼く際、型には油分を塗らずに焼き上げるため、型からスッと抜くことはできません。
型から外す時は専用のシフォンケーキナイフがあると便利です。
私は下村企販 ケーキナイフ シフォンケーキナイフを使用しています。
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完全に冷めた後、型の半分くらいの高さまで生地を押し込んでからひっくり返し、外側の型を持ち上げて外すやり方でもキレイにはがすことができます。
※生地を押すのは潰れそうで不安になりますが、しっかりと冷めていれば押してももとに戻るので大丈夫です
バナナシフォンケーキのレシピ
色々なフレーバーで作れるシフォンケーキの中で、オススメのバナナシフォンケーキのレシピを紹介します。
卵が3個に砂糖が70g、牛乳50cc、サラダ油大さじ2、薄力粉70gが個人的に一番気に入っているシフォンケーキの分量です。
バナナを入れなければその分量でプレーンなシフォンケーキも作れますし、ココアを入れてココアシフォンケーキ、抹茶を入れて抹茶シフォンケーキなど色々応用できます。
材料
- 卵 3個(卵黄3個、卵白3個に分けておく)
- きび砂糖 70g(卵黄用20g、卵白用50gに分けておく)
(上白糖やグラニュー糖でもOK) - 牛乳 50cc
- サラダ油 大さじ2
- 薄力粉 70g
- バナナ 1本
作り方
卵黄と卵白に分けて、卵白は使うまで冷蔵庫で冷やしておく
ボウルに卵黄と砂糖を入れ白っぽくなるまで混ぜる
サラダ油と牛乳を加えて白っぽくなるまで混ぜ、潰したバナナを加えて混ぜる
薄力粉を加えてよく混ぜて、全体をなじませる
別のボウル(大きめがおすすめ)に卵白を入れ、3回に分けて砂糖を入れて、ツノが立つメレンゲを作る
砂糖を入れるタイミング
1・ハンドミキサーで卵白をほぐした時
2・卵白が2倍くらいになった時
3・軽くツノが立った時
メレンゲの1/3を卵黄生地のボウルに入れしっかりと混ぜる
更にメレンゲの1/3を加え、底から持ち上げるように混ぜてなじませる
メレンゲのボウルに⑤をすべて入れ、全体が馴染むように混ぜる
型に流し入れ、竹串をぐるぐるとまわして平らにならしたら、170℃に予熱したオーブンで30分焼く
(10分経った頃、表面に6箇所切れ目を入れるときれいに膨らむ)
焼き上がったら安定したコップなどに逆さまに置いて冷ます
作る時のコツ
メレンゲを混ぜ込む時は、1回目をとにかくしっかりと!がコツです。
1回目はメレンゲが潰れるかも…という心配はせずしっかり混ぜ込むことで、2回目・3回目に混ぜる時馴染みやすくなります。
私はシフォンケーキ作りを始めた頃はよく失敗していました。
何度も作っていくと、メレンゲの硬さや混ぜる時の感覚を掴んであっという間に生地を作れるようになりますので、ぜひ何度かチャレンジしてみてください♪
ちなみに、バナナシフォンケーキは、食べる時に生クリームを添えてチョコソースをかけるのもおすすめです!
縮んで失敗!どうすれば上手くいく?
シフォンケーキを作り始めた頃、よく起こる失敗が『生地が膨らまない』『膨らんだのにしぼんでしまった』というものです。
生地が膨らまない原因
メレンゲの泡立て不足や、生地の混ぜすぎが考えられます。
メレンゲがしっかり泡立っていないと空気を含んだ状態をキープできないですし、生地を混ぜすぎるとメレンゲが潰れてしまって、やはり膨らみが弱くなってしまいます。
『ちょうどいいメレンゲ』を見つけるには、回数を重ねて慣れていくことがベストですが、私は
①とにかくしっっかり角が立つまで泡立てる
②多少潰れても気にせずしっかり混ぜ込む
という手順で、徐々に丁度いいメレンゲの硬さを見つけていきました。
シフォンケーキがしぼんでしまう原因
焼き上がった生地がしぼんでしまうことを『焼き縮み』といいます。
焼き縮みが起こる原因は、焼きが足りない・粉の量が多い・砂糖の量が足りない・水分が多すぎるなどが考えられます。
砂糖が少ないとメレンゲを泡を保つことができなくなってしまいますし、卵黄生地がシャバシャバだとうまくいきません。
卵黄生地はヘラを持ち上げた時に、生地が伸びるくらいまでなじませると上手くいきます。
ホットケーキミックスでも作れる?
ホットケーキミックスでもシフォンケーキを作ることができます。
ホットケーキミックスを使って作るシフォンケーキのオススメレシピはこちらです。
HMでシフォンケーキの王道☆簡単プレーン
作り方は基本のシフォンケーキの作り方と同じです。
プレーンなのでアレンジも楽しめそうです!
ホットケーキは色々なお菓子に使うことができるので、家に常備しておくととても便利です!
シフォンケーキの日持ちは?冷凍できる?
シフォンケーキの日持ちの目安は、冷蔵で4〜5日です。
クリームを塗ると傷みやすくなるので、クリームは食べる時に添えるのがオススメです。
もし残ってしまった場合は冷凍保存が可能で、最長1ヶ月ほど保存することができます。
冷凍する際は、カットしたシフォンケーキをラップでしっかり包み、密封できる袋などに入れて保存します。
解凍時には冷蔵庫でゆっくりと解凍すると、風味やふわふわ食感を保つことができます。
シフォンケーキのデコレーションアイデア
シフォンケーキは色々なトッピングやデコレーションを楽しめます。
シンプルに粉砂糖をふりかけたシフォンケーキ。
※表面の凸凹を隠すために多めに振りかけています…
どんなフレーバーのシフォンケーキにも合います。
粉砂糖をふりかけたシフォンケーキに、生クリームとアイスのトッピング。
ハーブがあると、ワンランクアップしたケーキになります。
紅茶のシフォンケーキに紅茶の香りを付けた生クリームを塗ったシフォンケーキ。
昔、神戸屋で売っていた紅茶シフォンがモデルです。
サンドイッチのようにいちごやクリームを挟んだシフォンケーキ。
片手で食べやすいので、小さい子にオススメです!
桜のシフォンケーキに生クリームを塗り、桜の塩漬けをトッピングしたシフォンケーキ。
生地の色味にあわせて、エディブル・フラワーをトッピングするのも良さそうです。
ショートケーキのようにクリームといちごをトッピングしたシフォンケーキ。
これはFLO PRESTIGE PARIS(フロ プレステージュ)のシフォンケーキですが、側面のピンクやクリームの垂れた感じがとても可愛いです!
クリームとナッツをトッピングしたシフォンケーキ。
フレッシュな果物もいいですがナッツも色んな種類を乗せるとおしゃれ!
小さい型で焼いたシフォンケーキを横にカットして、中にクリームをつめたシフォンケーキ。
縦にカットするイメージが強いので、横にカットすると更にデコレーションの幅が広がりそうです!
シフォンケーキのラッピングの仕方
シフォンケーキをプレゼントしたいと思った時、どのようにラッピングしていいかわからず困ってしまうことがあります。
お店で売っているようにひとつひとつ包む時はOPPシートという透明なビニールシートを使います。
透明なので、中のシフォンケーキの断面がよく見えるラッピングです。
リボンでくるんでみたり、シールでデコレーションしたりと、組み合わせ次第でいろいろなアレンジを楽しめます。
オススメのOPPシートを使った包み方はこちら
基本のシフォンケーキ(カット)のラッピング
最近ではシフォンケーキを入れるための台形のOPPバッグも販売されていますので、そちらを買えばもっと手軽にラッピングできます。
ヘッズ OPPバッグ 21(13)×13cm 台形 無地 シフォンケーキ ギフト 食品対応 100枚入
ホールでプレゼントにする場合は、紙製の型を使うのがおすすめです。
※蓋がついたものだとよりラッピングが楽になります。
パール金属 アンテノア 紙製 シフォンケーキ 焼型 17cm 3枚入 D-3412
シフォン型を使わずに紙コップや小さい紙製の型を使うのも、ラッピングがしやすくなるのでおすすめです!
まとめ
今回はシフォンケーキについてご紹介しました。
- シフォンケーキはアメリカ生まれのケーキ
- シフォンはフランス語でシルクのこと
- 真ん中の穴は生焼けを防ぐためにある
- シフォンケーキのレシピは長年謎に包まれていた
- サラダ油を使うのは軽い生地に仕上げるため
- メレンゲの硬さが仕上がりを決める
- 日持ちは冷蔵で4〜5日、冷凍も可能
- ショートケーキのようにもサンドイッチのようにも色々アレンジできる
バターではなくサラダ油を使い、粉類も少なくてすむシフォンケーキ。
メレンゲに慣れてしまえば、とても手軽に作れるケーキなので、ぜひ手作りで作ってみてください。
『こんな味はどうかな?』なんて挑戦してみるのも楽しいですよ!