サクサクのパイ生地に、甘酸っぱいリンゴがたっぷり詰まった「アップルパイ」。
アメリカを代表するお菓子として知られていますが、実はその歴史はヨーロッパにさかのぼります。
今回は、アップルパイの発祥や歴史、名前に込められた意味、世界各国のアップルパイの違いをご紹介します。
アップルパイとは?

アップルパイ(Apple Pie)は、リンゴを使ったフィリング(具材)をパイ生地で包んだり、のせたりして焼いたお菓子です。
リンゴの甘酸っぱさと香ばしいパイ生地が特徴で、シナモンやレーズン、ナッツなどを加えることもあります。
表面を格子状に編んだものや、リンゴを薄く並べたものなど、国や地域によって形もさまざまです。
アップルパイの発祥はどこの国?
アップルパイといえばアメリカのイメージがありますが、古いレシピのひとつは14世紀のイギリスに残されています。
1381年のレシピには、リンゴやスパイスのほかに、洋梨・レーズン・イチジクなどが使われていました。
しかも、当時のレシピには砂糖が使われていなかったそうです。
今の甘いアップルパイを想像すると、ちょっと意外ですよね。
オランダにも古くからアップルパイの文化があり、16世紀にはレシピが記録されています。
正確な発祥の国をひとつに決めるのは難しいものの、アップルパイはアメリカに伝わる以前から、ヨーロッパで親しまれていたお菓子なのです。
参考:Smithsonian Magazine「Apple Pie Is Not All That American」
アップルパイの歴史とリンゴの品種

アメリカにアップルパイが伝わったのは17世紀頃。
ヨーロッパからの移民によってリンゴの栽培が広がり、アップルパイも家庭で作られるようになりました。
ちなみに、1796年に出版されたアメリカの料理書『American Cookery』にも、アップルパイのレシピが掲載されています。
アップルパイとリンゴの品種

アップルパイの歴史が古いイギリスでは、リンゴの品種も豊富です。
リンゴには、料理やお菓子作りに向いた「クッキングアップル」と、生で食べるのに向いた「デザートアップル」があります。
イギリスのアップルパイによく使われるのが、酸味の強いクッキングアップルの「ブラムリー」。
加熱すると柔らかく崩れやすく、甘いパイ生地との相性もぴったりです。
日本では紅玉を使ったアップルパイも人気ですが、使うリンゴの品種によって味や食感が変わるのも面白いところです。
アップルパイの名前や意味とは?
アップルパイは、文字どおり「リンゴを使ったパイ」という意味です。
ところがアメリカでは、単なるお菓子の名前以上の意味を持っています。
アメリカには、「As American as apple pie」という有名な表現があります。
これは「アップルパイのようにアメリカ的」という意味で、アメリカらしさを表すときに使われる言葉です。
アップルパイは家庭の味として親しまれ、20世紀には故郷や家族を連想させる存在になりました。
第二次世界大戦中には、兵士たちが守りたいものとして「母親とアップルパイ」を挙げたという話も知られています。
参考:Smithsonian Magazine「Why Americans Love Their Apple Pie」
世界のアップルパイの種類
アップルパイは世界各国で親しまれていますが、国によって見た目や食べ方が異なります。
アメリカ|アメリカンアップルパイ

リンゴをたっぷり詰めた、ボリュームのあるアップルパイ。
パイ生地で上下を包んだものや、表面を格子状に編んだ「ラティストップ」がよく知られています。
シナモンで風味を付け、バニラアイスクリームを添えるのも人気の食べ方です。
イギリス|イギリスのアップルパイ

リンゴのフィリングをパイ生地で覆って焼くスタイルが親しまれています。
酸味のあるリンゴを使うことも多く、温かいアップルパイにカスタードソースをかけるのも定番の楽しみ方です。
オランダ|アッペルタールト

オランダのアップルパイは「アッペルタールト(Appeltaart)」と呼ばれます。
深さのある型にリンゴをたっぷり詰め、ケーキのような高さのある仕上がりが特徴です。
シナモンやレーズンを加え、表面を格子状に飾るものもあります。
フランス|タルト・タタン

フランスの「タルト・タタン(Tarte Tatin)」は、リンゴを使った有名なお菓子です。
バターと砂糖でキャラメリゼしたリンゴに生地をかぶせて焼き、最後にひっくり返して仕上げます。
一般的なアップルパイとは作り方が異なりますが、リンゴの濃厚な甘みと香ばしさを楽しめるお菓子です。
まとめ
アップルパイはアメリカを代表するお菓子ですが、その歴史はヨーロッパにさかのぼります。
アメリカでは家庭や故郷を象徴する存在となり、「As American as apple pie」という表現が生まれるほど親しまれるようになりました。
また、国によって形や食感、食べ方が異なるのも面白いところ。
それぞれの国のアップルパイを食べ比べてみるのも楽しそうです!


