マスタークラスとは?
イギリスの人気番組『ブリティッシュ・ベイクオフ』には、コンテスト本編の後に放送される特別企画「マスタークラス」があります。


このマスタークラスでは、厳しい審査で知られるメアリー・ベリーとポール・ハリウッドが、コンテストで出題された課題のお菓子を自ら作りながら、その極意をわかりやすく解説してくれます。
今回は、そんなマスタークラスで紹介された3つのお菓子についてご紹介します。

ポールのチェリーとチョコレートの大型パン

チェリーの酸味がチョコレートの深い味わいを引き立てる、ポール考案の大型パン。
ポールも昔から大好きなパンなのだそうです。
材料
- 強力粉 500g + 追加用 40~50g
- インスタントドライイースト 10g
- 塩 10g
- オリーブオイル 30g
- 冷たい水 320ml
- 瓶入りブラックチェリー 390g(水切り済み)
- ホワイトチョコチップ 100g
- ダークチョコチップ 100g
作り方
- 強力粉、イースト、塩をボウルに入れ、イーストと塩は離して配置する
- オリーブオイルを加え、スタンドミキサーで混ぜる
- 冷水を少しずつ加えて混ぜ、グルテンを形成させる
- 水分を切ったブラックチェリーを加える
- 2種類のチョコチップを加えて再度ミキサーで混ぜる
- チェリーから出た水分を吸わせるため、小麦粉40~50gを追加する
- 打ち粉をした台に出し、あまりこねずに球状にまとめる
- ボウルに入れラップをかけて室温で1時間半発酵させる
- 生地を半分にカットし、それぞれを長方形に伸ばして奥から巻き、棒状にする
- 拳で押さえて空気を抜き、80cmほどに伸ばす
- 2本の生地を十字に交差させて編み込みを作る
※生地の最後は下に折り込む - 天板にのせ、室温で1時間半以上発酵させる
※指で押した跡が残らなければ焼いていい状態 - 200℃のコンベクションオーブンで20分、その後180℃で20~25分焼く
感想
ポール「具が全体に行き渡ってる。パンの風味が豊かだから少しのバターだけでいい。」
メアリー「いい組み合わせ。表面がカリカリね。陽光の中に座ってワインを飲みながら食べたい。おいしいわ。」
ポールのポティツァ

東欧の祝祭用パンという珍しいお菓子。
くるみとチョコのペーストを巻き込んだ複雑な構造が特徴です。
材料
生地
- 強力粉 300g
- 上白糖 40g
- インスタントドライイースト 10g
- 塩 7g
- 全卵 1個
- バニラシード 1/2本分
- 溶かしバター 30g
- 牛乳 150ml
フィリング
- くるみ 280g
- 上白糖 100g
- バニラシード 1/2本分
- ココアパウダー 大さじ2
- 卵黄 1個
- 牛乳 大さじ4
- 溶かしバター 60g
アイシング
- 粉砂糖 200g
- 水 30ml
作り方
- 【生地作り】
強力粉、上白糖、イースト、塩をミキサーで混ぜる - 全卵、バニラシード、溶かしバター、牛乳を混ぜた液を加える
- 生地がまとまったら5~8分混ぜる
- 打ち粉をした台に出して丸め、ボウルに入れラップをして1時間発酵させる
- 【フィリング作り】
くるみ、上白糖、バニラシード、ココアパウダーをフードプロセッサーで砕く
※砂状になる前に止める - 卵黄、牛乳、溶かしバターを混ぜ合わせる
- 砕いたくるみ類(⑤)と卵液(⑥)を混ぜ合わせる
- 【成形・焼成】
発酵した生地を横80~100cm、縦30~40cmくらいの横長に伸ばす - 溶かしバターを全体に塗る
- フィリングを生地の上に載せて、パレットナイフで広げる
ポール「10分かけて根気強く広げて欲しい」 - 上側を軽く折り込み、上から下に向かって丸めて棒状にする
- バターを塗った型に、生地の先端を底に入れて回しながら重ねていく
- 袋に入れて約1時間発酵させる
- 溶き卵を塗り、160℃のコンベクションオーブンで15分焼く
- 130℃に下げて45分焼く
- 粉砂糖を水で溶いたアイシングを上にかける
感想
ポール「アイシングがいい具合だ。渦巻きがしっかりくっついてる。パン作りの腕を上げたいならこれを作るべきだ。」
メアリー「おいしいわ。アイシングが効いてる。」
ポールのチョコレートとラズベリーのドーナツ

ブリオッシュ生地を使った贅沢なドーナツ。
砂糖をまぶしたラズベリードーナツとチョコたっぷりのドーナツを作ります。
材料
- 強力粉 250g
- 塩 4g
- インスタントドライイースト 5g
- 上白糖 25g
- 全卵 2個
- 牛乳 70ml
- バター 125g
- ラズベリー(生) 適量
- チョコレート(角をカット) 9個
- 溶かしたチョコレート(デコレーション用)
- ホワイトチョコレート(デコレーション用)
- グラニュー糖(まぶし用)
- 揚げ油 適量
作り方
- 強力粉、塩、イースト、上白糖、全卵をスタンドミキサーで混ぜる
- まとまり始めたら牛乳を加える
- ツヤが出るまで最長8分間混ぜる
- バターを加えて混ぜ込む
- 小麦粉を振った容器に生地を入れ、8時間冷やす(冷蔵庫)
ポール「生地は柔らかいから冷やしてバターを固くする。8時間冷やす間に発酵も進んで少し膨らむ」 - 生地に打ち粉をして、棒状に丸めて6分割し、さらに3分割して18個にする
- 【ラズベリー】
生地にくぼみを作ってラズベリーを包み、小麦粉をまぶして球状にする(9個) - 【チョコ】
角をカットしたチョコを同様に包む(9個) - 袋に入れて室温で20分発酵させる
- 170℃の油で片面3分ずつ揚げる
- 【チョコ】
15分冷ました後、溶かしたチョコとホワイトチョコでデコレーションする - 【ラズベリー】
揚げた後に砂糖をまぶす
感想
メアリー「このドーナツは大きすぎないのがいいわ。角が丸いチョコが入ってる。とてもいいアイデア。ラズベリーもいただくわね。生のラズベリーを入れるのは独創的ね。」
ポール「イチゴだっていいし別のチョコを入れてもいい。」
まとめ
今回は、第8週パン生地(上級編)の回で登場したお菓子の作り方をまとめてみました。
大型パンでは、
「油を加えるのは内相を柔らかく保つためなんだ」
ポティツァでは、
「生地の片側の端を指で押さえて台に留めておくと、生地を巻く時にやりやすくなる」
ドーナツでは、
「ブリオッシュを揚げるとドーナツみたいになる。だがバターが多い分より味わい深い」
など、具体的なコツやポイントを学ぶことができました。
ご家庭でもぜひ挑戦してみてください!