マスタークラスとは?
イギリスの人気番組『ブリティッシュ・ベイクオフ』には、コンテスト本編の後に放送される特別企画「マスタークラス」があります。


このマスタークラスでは、厳しい審査で知られるメアリー・ベリーとポール・ハリウッドが、コンテストで出題された課題のお菓子を自ら作りながら、その極意をわかりやすく解説してくれます。
今回は、そんなマスタークラスで紹介された2つのお菓子についてご紹介します。

プリンセストルタ

メアリーが「面白いケーキ」とテクニカルに選んだこのスウェーデンの伝統菓子は、その複雑な構造で出場者を苦しめました。
カスタードクリーム、ラズベリージャム、ミックスクリームが何層にも重なり、生クリームのドームの上には黄緑色のマジパンが美しく覆われます。
材料
カスタードクリーム
- 牛乳:600ml
- バニラビーンズ:1本(またはバニラペースト・エキス)
- 卵黄:6個
- 上白糖:100g
- コーンスターチ:50g
- バター:50g
ラズベリージャム
- 生ラズベリー:200g
- ジャム用砂糖:175g
- 水:大さじ2
ジェノワーズ
- 上白糖:150g
- 全卵:4個
- コーンスターチ:75g
- 中力粉:75g
- ベーキングパウダー:小さじ1
- バター:50g(溶かして冷ましたもの)
ホイップクリーム
- ダブルクリーム:600ml
マジパン・仕上げ
- アーモンドプードル:400g
- 上白糖:150g
- 粉砂糖:250g
- 溶き卵:2個分
- アーモンドエキス:小さじ1
- 緑色食用色素:適量
- 市販のシュガーペースト(バラ作り用)
- 溶かしチョコレート:適量
作り方
- 【カスタードクリーム】
牛乳600mlを熱し、バニラビーンズ1本分をかき出して加え、さやも一緒に入れる - 卵黄6個をボウルに入れ、上白糖100g、コーンスターチ50gを加える
- スタンドミキサーで混ぜ、クリーミーになったら湯気が出ている熱々の牛乳を加えていく(バニラのさやは事前に取り出す)
- 混ざったら鍋に戻して、とろみが出るまで混ぜ続ける
- 鍋にバター50gを入れて混ぜる
- ボウルに移してラップまたはキッチンペーパーで蓋をする(カスタードにくっつくように)
- 【ラズベリージャム】
生のラズベリー200gとジャム用の砂糖175gを鍋に入れ、ラズベリーが柔らかくなるまで熱する - 水大さじ2を加え、適度な固さになるまで煮る
- ボウルに入れて冷ましておく
- 【ジェノワーズ】
上白糖150gと全卵4個をミキサーにかけて泡立てる - 卵が泡立ったら(一瞬筋ができてすぐ消える程度の固さ)、コーンスターチ75g、中力粉75g、ベーキングパウダー小さじ1を篩いながら加え、底からすくって切るように混ぜる
- 混ざったら溶かして冷ましたバター50gを加える
- 油を塗りシートを敷き込んだ直径23cmの型に、生地を低い位置から流し入れる
- コンベクションオーブンを160度にセットして、25〜30分焼く
- 【バラの飾り】
市販のシュガーペーストを使い、まず少量を球状にして平らにし、中心から外側に花びらをくっつけていく - 【ホイップクリーム】
ダブルクリーム600mlをミキサーで泡立てホイップクリームを作る - 【組み立て】
よく冷やしたジェノワーズを横3枚にスライスし、1枚をお皿にのせる - カスタードを薄く塗り広げ、縁はぐるっと絞り出して堤防を作り内側にジャムを厚めに塗る
- ホイップクリームの半分をカスタードに混ぜ、1/3をジャムの上に塗る
- ジェノワーズ生地をのせ、カスタード+ホイップクリームの残りをすべて塗り、最後のジェノワーズ生地を重ねる
- ホイップクリームを側面に薄く塗ってから残りを上にのせ、ドーム状に整える
- 【マジパン】(出来上がったケーキを冷蔵庫で冷やしている間)
ボウルにアーモンドプードル400g、上白糖150g、粉砂糖250g、溶き卵2個分、アーモンドエキス小さじ1を入れ、まとまるまでミキサーで混ぜる - 途中で食用色素(緑)を加え混ぜ続ける
- 【仕上げ】
マジパンをケーキが覆えるくらいのサイズに伸ばし、麺棒に巻き付けてケーキに被せる - ケーキの形になじませ、余分な部分を切り取り、下の部分を生クリームで飾る
- 溶かしたチョコを細長く出し模様を描く
- 少し穴を開け、バラの飾りをのせる
感想
メアリー「完成したら冷蔵庫に入れてクリームを固めるの。どう?」
ポール「すばらしい。ジャムと2種のクリーム、そしてマジパンのアーモンド。最高だ。スウェーデンに行きたくなった」
メアリーのドボシュトルタ

薄いスポンジとクリームが何層にも重なった、ハンガリーを代表する焼き菓子であるドボシュトルタ。
メアリーのドボシュトルタは12枚のスポンジをカラメルクリームとプラリネで覆います
材料
カラメルバタークリーム
- グラニュー糖:800g(なければ上白糖でも可)
- 水:100ml
- ダブルクリーム:400ml
- バター:450g
スポンジ
- 全卵:8個
- 上白糖:350g
- セルフライジングフラワー:300g
プラリネ
- アーモンドフレーク:75g
- グラニュー糖:300g
- 水:大さじ6
- ヘーゼルナッツ:適量
- 爪楊枝:適量
カラメル(仕上げ用)
- 砂糖:100g
- 水:大さじ2
作り方
- 【カラメルバタークリーム】
鍋にグラニュー糖800g、水100mlを入れ火にかけ、鍋底に粒がなくなって透明になるまで溶かしたら、沸騰させて麦わら色にする - カラメルを火からおろし耐熱ボウルに移す
- ②にダブルクリーム400mlを入れて混ぜる
- 【スポンジ】
ボウルに全卵8個、上白糖350gを加えリボン状になるまで混ぜる - セルフライジングフラワー300gを、少しずつ振るいながらボウルに入れその都度底からすくって切るように混ぜる
- 小麦粉の塊が完全になくなるまで混ぜ、型(20cmと15cmの円)を描いたシートを天板に敷き、型の内側に生地を広げる
※自然に生地が広がるので、線からはみ出さないように - 180℃のコンベクションオーブンで8〜10分を目安に焼く
※焼色はうっすらと均等につく程度 - 【カラメルバタークリーム続き】
バター450gを混ぜ、少しずつ冷ましておいたカラメルクリームを加えて混ぜる - 【プラリネ】
アーモンドフレーク75gをシートを敷いた鉄板の上に並べ、グラニュー糖300g、水大さじ6を火にかけて作ったカラメルをかける
(全部はかけずに少し残しておく) - 冷めたら砕く
- ヘーゼルナッツに爪楊枝を刺し、残ったカラメルをくぐらせ立てて冷ます
- 【組み立て】
大きい方のスポンジを1枚置き、上にカラメルバタークリームを塗る - 同じサイズのスポンジを重ね、スポンジ⇒クリームの順に残りの同じサイズのスポンジも重ねていく
- 同様に小さいサイズで2段目を作っていく
(2段目はスポンジを5枚使い1枚は残す) - 外側にクリームを塗り砕いたプラリネを貼り付ける
- 1段目のへりにクリームを16か所絞る
- 絞ったクリームの上にヘーゼルナッツを乗せる(爪楊枝は外す)
- 2段目には8か所クリームを絞り、同様にヘーゼルナッツを乗せる
- 【仕上げ】
砂糖100g、水大さじ2でカラメルを作り、残しておいたスポンジの上にかけ、油を塗った包丁で端を切り落として8等分にする - 8等分したものを一番上に並べる
感想
メアリー「まあ、すごい層。成功ね」
ポール「しっとりしてておいしい。カラメルも軽やかだ。これを見てみなさんが作ってくれると良いね。簡単なレシピではないが、たくさんのコツを教えたつもりだ」
まとめ
今回は、第6週ヨーロッパのケーキの回で登場したお菓子の作り方をまとめてみました。
プリンセストルタのジェノワーズを作る際には、
「バターは溶かしてから冷まし、もったりした生地の端の方に入れて優しく切るように混ぜる」
「生地は高い位置から入れると気泡が潰れるので低い位置から入れる」
またドボシュトルタでは、
「常に混ぜ続けて、砂糖が完全に溶けるまで沸騰させてはダメ」(カラメル)
「自然に生地が広がるので、線からはみ出さないように」(スポンジ)
など、具体的なコツを学ぶことができました。
今回はかなり工程の多いレシピなので難易度が高いですが、興味がある方はぜひ、ご家庭でもぜひ挑戦してみてください!