ブリティッシュ・ベイクオフ シーズン5【5週目：パイとタルト】

腕利きのアマチュアベイカーたちが、ベイキングの腕を競うイギリスの人気番組『ブリティッシュ・ベイクオフ』。

今回はシーズン5の第5週、【パイとタルト】がテーマの回をご紹介します。

今回のエピソードでは、カスタードタルト、ミニ洋梨パイ、そしてティアードパイという3つのチャレンジに挑みました。

この記事はネタバレを含みます

番組の流れ

各エピソードは3つのチャレンジから構成されています。

1. オリジナルチャレンジ：参加者が事前に準備した自分のレシピで作るチャレンジ
2. テクニカルチャレンジ：審査員が用意した最小限の指示だけで全員が同じレシピに挑むチャレンジ
3. マスターピースチャレンジ：技術と創造性の集大成となる複雑なお菓子作りのチャレンジ

3つのチャレンジの後、その週最も優秀だったスターベイカーと脱落者が発表されます。

それでは、実際の様子を見ていきましょう！

ダイアナの辞退

チャレンジの前に、ダイアナが体調を崩し辞退したことが伝えられました。

ルイ「ダイアナもいるはずが、会えなくて寂しいよ」
ナンシー「ムードメーカーだから彼女の穴は大きいわ」
マーサ「テントのおばあちゃんがいなくなっちゃったわ」

タイミング的に前回のアイス事件が関係しているのではないかとの声もあるようですが、実際に体調を崩していたという情報もあるようです。

収録から放送まで時間があると思うので、アイス事件に関する批判を受けたのはすでに辞退した後だったのでは？と個人的には思います。

前回オリジナルとマスターピースの出来が良く、ポールには「自信をもっていい、うつむいていちゃダメだ」と言われていたダイアナ。

「この大会への出場は私の人生と切り離せない。出産とか諸々を除いて人生最大の出来事よ」とも話していたので、辞退することになってしまったのはとても残念です。

ちなみに、ダイアナもイアンも決勝戦でのパーティーに参加し、元気な姿を見せています。

オリジナルチャレンジ：カスタードタルト

第5週目の最初のチャレンジはカスタードタルト。

「カスタードタルトは食感が命だ。タルト生地はサクサク、カスタードは滑らかに」とポール。

メアリーは「タルト生地を型にきちんと敷かないとカスタードが漏れ出てしまう。完璧に仕上げるのは至難の業よ」と課題のポイントを説明しました。

このチャレンジでは、カスタードと素材の風味、生地の焼け具合などに注目して審査されました。

このチャレンジで評価が高かったのは、ナンシーとルイ。

「おいしいよ。総合的によくできてる」
「生地は薄く上出来だ。柑橘系の酸味が程よく効いてるね。非の打ち所がない」

逆に他のベイカーたちは皆、厳しい評価となりました。

「経験不足だから自信がない」と話していたマーサは「生地が完全に焼けていない。味も今ひとつだ」と言われ、ケイトやリチャードもそれぞれ「ルバーブはかすかに感じるだけ」「オレンジの味を期待してたが、ほとんど感じられない」と味について指摘されました。

オリジナルチャレンジ後のベイカーの感想は、

マーサ「2時間半もの間苦手なことをするのはすごくきついわ。初めてだし」
ルイ「いい結果を出せてうれしいよ。非の打ち所がないなんて最高の賛辞だ」
チェトナ「初めて味に精彩を欠いたと言われた。その言葉を励みにして必ず挽回するわ」
ナンシー「大成功でうれしい。ほっとしたわ」

テクニカルチャレンジ：ミニ洋梨パイ

次に行われたテクニカルチャレンジの課題は、ミニ洋梨パイでした。

「難しそうだけど、なぜこれを選んだの？」というメアリーからの質問に、ポールは「時間管理の能力が分かる。まずラフパフペイストリーを作り、ゆでた梨に巻きオーブンで焼く。梨もパイ生地も冷やす必要がある。梨が冷めてないと生地はずり落ちる」と説明しました。

ベイカーたちは、まず生地作りから始めます。

リチャード「ラフパフペイストリーは脂肪分も生地に混ぜ込む。この方法は知らないから当て推量だ」
ナンシー「バターとラードを折り込む。大きめの塊にして折り込むと、科学的な説明は省くけど層ができるの」
ルイ「手の熱で脂肪分が溶けないよう生地を冷やさないと層ができない。固まるまで冷やすと脂肪分がしっかり残って層を作ってくれる」

生地を冷やしている間に、梨の下ごしらえとシロップを用意します。

ですが、梨をどのくらい茹でるのかは書いてありません。

ナンシー「あとで焼くから少し固めにしておく」
ノーマン「何分ゆでるのか知らないが見て判断するよ」
リチャード「生地を作ってる間に梨を茹で過ぎそうで心配だ」
マーサ「いつまで茹でるの？本当はダメだけど周囲を参考にするわ」

最難関は梨に生地を巻き付ける作業です。

梨が冷めていないと焼成中にパイ生地が滑り落ちてしまいます。

マーサ「”パイ生地を下から巻き上げる”。こんな妙な作業は初めてだわ」
ケイト「うまくいかない」
リチャード「生地が厚すぎた。正しい完成形の想像がつかないから、そう失敗とも思わない」

ポールの話していた「時間管理」にベイカーたちは苦しめられます。

ケイト「本当に時間がない。20分焼こうと思ってたけど、時間がないから15分ね。温度を上げるわ」
リチャード「時間内に焼ければいいが」
ルイ「間に合わない、20分焼こうと思ったがあと10分しかない」

生地が厚すぎたと話していたリチャードのパイは、焼成中、生地が滑り落ちてしまいました。

評価と順位

今回の審査のポイントは、梨の味と生地の仕上がり具合でした。

予想外の順位に「1位になったわ。今朝はひどいタルトに泣いてたけど、今は最高の気分よ」とマーサ。

一方評価が良くなかったルイは「とんでもない課題だ。もう二度とフルーツにパイは巻かない」、リチャードも「最悪のパイになったね。テントを燃やしたら成功したかも」と、今回のチャレンジの大変さを語りました。

マスターピースチャレンジ：ティアードパイ

最後に行われるマスターピースチャレンジの課題は3段以上のティアードパイ。

「3つ以上なら何段でもいいわ。フィリングだけでなく上の層も支えられるよう強度のある生地にしないとダメね」とメアリー。

ポールは、「フィリングも味も自由だが、各段が相互に調和してることが鍵だ。それが最も難しい」と話しました。

ルイ・ケイト・リチャード・マーサは湯練りペイストリーを使います。

一方パフペーストリーやショートクラスト、フレイキーペイストリーなど、各層ごとに生地を変えるのはノーマン・チェトナ・ナンシーの3人。

更にナンシーは、型を使わずに手で成形すると審査員に説明しました。

水分のあるフィリングと自重に耐えるよう、パイ生地の厚さには細心の注意を払います。

ですが、オーブンから出したマーサのパイは、フィリングの汁が漏れてしまいました。

スー「マーサ何事？」
マーサ「配管が故障した」
スー「正体は？」
マーサ「脂肪分ね、オーブンで乾かすわ」

再度オーブンに入れたマーサは「ポールは気に入らないでしょうね、焦げた部分を少し除くわ」、リチャードは「色が濃いと言われたくない、大きいから中まで火を通すためよく焼いた」とそれぞれパイの焼色で不安を抱えます。

マスターピースの評価では、ケイト、チェトナ、ナンシーの3人が高い評価を受けました。

• ケイトのルバーブ・プルーン・リンゴのポークパイ
  「色もいいし高さもありポークパイらしい形だ。焼き加減もいいし、フィリングもたっぷり。上出来だ。食感も味もすばらしい」(ポール)
  「食感もサクサクでとてもおいしいわ」(メアリー)
• チェトナのフュージョンティアードパイ
  「見た目は最高ね」(メアリー)
  「生地はサクサクだ。味の女王がよみがえったね」(ポール)
• ナンシーのアップルパイ・トリオ
  「型を使わずに手で成形したのが功を奏したようだね。層がきれいにできてる。味もいいし素材も水っぽくない」(ポール)

一方、ノーマンは「ラベンダーの風味が強すぎる」「アイデアも味も良いけどボロボロで食べにくい」と厳しい評価を受けました。

審査後の話し合いの中、厳しい状況だと名前が挙がったのは、実力を出しきれなかったリチャードとラベンダー入りのメレンゲが不評だったノーマン。

また、今回はダイアナの辞退があったため、スーから「脱落者は必要？」との話もありました。

結果発表

今回はブリティッシュ・ベイクオフ シーズン5の第5週をご紹介しました。

次回は、『ブリティッシュベイクオフ マスタークラス』から今回のチャレンジで登場したお菓子の作り方を紹介します。