マスタークラスとは?
イギリスの人気番組『ブリティッシュ・ベイクオフ』には、コンテスト本編の後に放送される特別企画「マスタークラス」があります。


このマスタークラスでは、厳しい審査で知られるメアリー・ベリーとポール・ハリウッドが、コンテストで出題された課題のお菓子を自ら作りながら、その極意をわかりやすく解説してくれます。
今回は、そんなマスタークラスで紹介された3つのお菓子についてご紹介します。

メアリーのティラミスケーキ

コーヒーが染み込んだスポンジと何層ものクリーム、そしてチョコ飾りが印象的なメアリー特製のケーキです。
メアリーによると、構成はシンプルですが精密に正しく組み立てるのは難しいとのこと。
材料
スポンジ生地(油脂なし)
- 全卵:4個
- 上白糖:100g
- セルフライジングフラワー:100g
マスカルポーネクリーム
- マスカルポーネ:3パック
(1パック250g、必ず全脂肪のもの) - 粉砂糖:大さじ3
- 生クリーム:300ml
コーヒー液
- 熱湯:150ml
- インスタントコーヒー:大さじ1
- ブランデー:100ml
仕上げ
- チョコレート(飾り用+おろし用):適量(おろし用は約75g)
※チョコは安価なもの(カカオ分少なめ)の方が扱いやすい - ココアパウダー:適量
作り方
- 【スポンジ生地】
スイスロール用の型(35×25cm)に油を塗り、シートを敷く - 全卵4個と上白糖100gをボウルに入れ、スタンドミキサー高速で上から落としても筋が残らない程度まで泡立てる
- セルフライジングフラワー100gをふるいながら加え、底からすくって切るように混ぜる
- 型に低い位置から流し入れ、隅まで行き渡らせる
- 160℃のコンベクションオーブンで約20分焼く
- 【チョコレート飾り】
溶かしたチョコを絞り袋に入れ、模様を描いたシートの上をなぞって絞り出す - 少し冷ましてから冷蔵庫で固める
- 【組み立て】
スポンジが冷めたら型から外し、真ん中で2等分してスライス(計4枚) - マスカルポーネ、粉砂糖、生クリームを混ぜ合わせクリームを作る
- 熱湯にインスタントコーヒーとブランデーを混ぜてコーヒー液を作る
- バターを塗ってシートを敷いた型にスポンジを1枚敷き、コーヒー液をハケで全体に塗る
- クリームを塗り、おろしたチョコを振りかける
- 次のスポンジを乗せ、同様に重ねる
- 最後のスポンジにコーヒー液とクリームを薄めに塗り、冷蔵庫で固める
- 型とシートを外し、表面にココアパウダーをかけ、チョコ飾りを刺して完成
感想
ポール「とても滑らかだね。マスカルポーネのクリームと液を含んだスポンジだからだ。フォークで難なく切れるし、口に入れるとチョコとマスカルポーネの味が広がる」
メアリー「私も気に入ってる」
ポールのチョコレートボルケーノ

切ると中央から濃厚なチョコの溶岩が流れ出る、ポール自慢の温かいデザートです。
「子供の頃からあった」という伝統的なデザートですが、「うまく流れ出るように作るのは案外難しい」とのこと。
材料
スポンジ
- 無塩バター:165g(+型用)
- チョコレート:165g
- 卵黄:3個
- 全卵:3個
- 上白糖:85g
- 小麦粉:大さじ2
- ココアパウダー:適量(型用)
作り方
- 型にバターを底から上向きにしっかり塗り、ココアパウダーでコーティング後、冷蔵庫で固める
- 湯煎でバターとチョコを溶かす
- 卵黄、全卵、上白糖をハンドミキサーで筋が残るくらいまで泡立てる
- 気泡を潰さないよう溶かしたチョコを少しずつ加えて混ぜる
- 小麦粉をふるいながら入れて混ぜ、6個の容器に均等に入れる
- 冷蔵庫で最低1時間、最長24時間冷やす
- 180℃のコンベクションオーブンで8分焼く
※表面がひび割れてきたら焼きすぎのサイン
感想
メアリー「お手本のようね、チョコが流れてる。クリームなどを添える必要はない、罪深い味ね」
ポール「これこそセルフソーシングだ」
メアリーのナポリタン ベイクド・アラスカ

チョコスポンジの上に3色のアイスを重ね、メレンゲで覆った華やかなデザートです。
メレンゲには2色のラインを入れます。
材料
アイス
- バニラアイス:1リットル
- ストロベリーアイス:1リットル
- チョコレートアイス:1リットル
ジェノワーズ生地
- 全卵:2個
- 上白糖:50g
- セルフライジングフラワー:30g
- ココアパウダー:20g
- 溶かしバター:20g
メレンゲ
- 上白糖:225g
- 水:90ml
- 卵白:3個分
- 食用色素(赤・黄色):適量
作り方
- 【アイスの準備】
ボウルにラップを2重に敷く(少し濡らすとしっかり張り付く) - バニラアイスをスタンドミキサーで1分混ぜ、ボウルに移し表面を平らにして冷凍する
- ストロベリーアイスも同様に混ぜ、バニラの上に重ねて冷凍する
- チョコレートアイスも同様に重ねて3段にし冷凍する
- 【ジェノワーズ生地】
全卵と上白糖をリボン状になるまで泡立てる - セルフライジングフラワーとココアパウダーをふるい入れる
- 冷ました溶かしバターを端から回し入れ、底から切るように混ぜる
- バターを塗ってシートを敷いた直径20cmの型で170℃、10〜12分焼く
- 【組み立て】
固めたアイスをボウルから出し(外れない場合は少しお湯につける)、スポンジの上に乗せて冷凍庫に戻す - 【メレンゲ】
上白糖と水を沸騰させる - 卵白をツノが立つまで泡立てる
- シロップが115℃になったら、ミキサー最速でシロップを優しく入れる
- 最速のまま10〜15分混ぜて冷ます
- 冷凍庫からアイスを出し、メレンゲを隙間なく塗る
- 食用色素を絞り袋の内側に塗り、メレンゲを入れて全体に絞り出す
- 220℃のコンベクションオーブンで焼く(タイマーはかけず見守る)
感想
メアリー「魅惑的ね、色の具合もちょうどよかった。とてもおいしいしお祝いにもぴったりね」
ポール「うまいはずだよ、アイスにメレンゲにスポンジもある」
まとめ
今回は、第4週デザートの回で登場したお菓子の作り方をまとめてみました。
ティラミスケーキでは「型に流す際は低い位置から(気泡が潰れるため)」、またベイクドアラスカでは「メレンゲは空洞ができないよう隙間なく塗る(アイスを熱から守るため)」、チョコレートボルケーノでは「焼く前に冷やさないと全体に火が通って、中までスポンジになってしまう」など、具体的なコツを学ぶことができました。
ご家庭でもぜひ挑戦してみてください!