※審査員・司会者を更新し、SNSなどの情報を追記しました(こちら)
社会現象にもなった超人気コンテスト番組
イギリスで社会現象にもなった『ブリティッシュ・ベイクオフ』はアマチュアベイカー(料理家)が料理の腕を競うコンテスト番組。
2010年にシーズン1が放送され、現在はシーズン13まで続いている人気番組です。
イギリス全土から集まった腕に自信のあるアマチュアベイカー達が、パンやお菓子などを10週に渡って競い合い、評価の低かった人は脱落、最後まで勝ち残った人がチャンピオンとなります。
今回はブリティッシュ・ベイクオフの内容や、審査員・司会進行の出演者たち、人気の理由などを掘り下げて紹介します!
番組の流れ
ベイカー達は毎週与えられるテーマ(ケーキ・パン・デザートなど)に沿ったチャレンジに挑戦していきます。
オリジナルチャレンジ
このチャレンジでは、事前に練習したオリジナルのレシピでお菓子を作ります。
それぞれのアイデアやセンス、ベイカーの独創性が試されます。
テクニカルチャレンジ
このチャレンジでは、審査員が作成したレシピと材料が与えられ全員が同じものを作ります。
レシピには焼き時間や混ぜる順番などのポイントが省かれているうえ、課題は事前に知らされていないのでお菓子作りの知識やテクニックが試されます。
チャレンジ中は審査員の2人は別の場所で待機するため、作られたお菓子を誰が作ったかわからない状態で評価します。
マスターピースチャレンジ
このチャレンジでは、テーマに合わせ事前に用意したレシピとデザインでお菓子を作ります。
ベイカーのセンスや独創性が問われる最大のチャレンジで時間との勝負でもあります。
『これがアマチュアなのか…』と驚くような美しい作品が毎回誕生します。
歴史や文化のコーナー
司会者であるスーやメルがお菓子の歴史を紹介するコーナー。
その週のテーマに合わせて、歴史家にインタビューをしたり海外の文化を伝えることもありました。
スターベイカーと脱落者
スターベイカーと脱落者は、すべてのチャレンジを終えた後審査員や司会達の話し合いの中で決定します。
スターベイカー(Star Baker)とは、その週で最も評価の高かったベイカーに与えられる称号です。
脱落者は毎週1〜2名、その週に評価が低かったベイカーが選ばれます。
審査員・司会者
ブリティッシュ・ベイクオフの評価を行う審査員は、料理研究家やシェフなど料理のプロ。
シーブン7まではメアリーベリーとポールハリウッド、シーズン8からはプルー・リースとポールハリウッドが審査員を務めています。
メアリー・ベリー
Mary Berry 1935年3月24日生まれ
料理研究家・作家・テレビパーソナリティ
料理界の重鎮であるメアリーベリーはキャリアも長く、75冊を超える料理本を出版し500万冊以上の料理本を販売しています。
『ケーキの女王』とも呼ばれ、お菓子作りに関する著作は特に高く評価されています。
2010年から2016年までブリティッシュ・ベイクオフの審査員を務め、温かい笑顔と的確なアドバイスで多くの視聴者から愛されました。
ポール・ハリウッド
Paul Hollywood 1966年3月1日生まれ
シェフ・パン職人・テレビパーソナリティ
彫刻家として修行を積んでいたポールハリウッドは父親の説得により転職し、ベーカリーでキャリアをスタートさせた後、有名ホテルでヘッド・ベイカーを務めました。
著書である『100 Great Breads』は世界10ヶ国でベストセラーとなりました。
ポールハリウッドは厳しい評価で知られていますが、ベイカーにアドバイスを与えたりジョークを言ってみたりと温かい面も見られます。
プルー・リース
Prue Leith 1940年2月18日生まれ
レストラン経営者・料理作家・テレビ司会者/放送作家
リーズズ・クックリー・スクールという料理学校を設立し、レストランやカフェの経営にも携わり、食品ビジネスの側面でも成功を収めています。
ブリティッシュベイクオフの審査員を務める前は、BBC Twoの『グレートブリティッシュメニュー』(イギリスのトップシェフが競うコンペティション番組)の審査員を11年務めていました。
司会進行
番組を盛り上げる司会進行は、コミカルなトークで番組を盛り上げたり、ベイカーのサポートにまわることもありました。
シーズン7まではスー・パーキンスとメル・ギェドロイツ、シーズン8からはノエル・フィールディングとマット・ルーカスが審査員を務めています。
スー・パーキンス
Sue Perkins 1969年9月22日生まれ
コメディアン・テレビパーソナリティ・作家・女優
短い黒髪にメガネで、服装もかっこいい印象のスー・パーキンス。
親しみやすいキャラクターでベイカー達をサポートしました。
BBCでは「Japan with Sue Perkins」という日本の文化を紹介するドキュメンタリー番組も放送されていたそうです。
メル・ギェドロイツ
Mel Giedroyc 1968年6月5日生まれ
コメディアン・テレビパーソナリティ・作家・女優
キュートな顔が印象的なメル。
彼女は舞台でのコメディパフォーマンスからスタートし、その後テレビやラジオでの出演でもコメディの才能を発揮しています。
メルとスーは『Mel and Sue』というコンビを組んでいて、共同でコメディやテレビ番組で活動し、親しまれています。
ノエル・フィールディング
Noel Fielding 1973年5月21日生まれ
コメディアン・俳優・テレビパーソナリティ
個性的なファッションで注目を集めるノエル・フィールディング。
ユニークなキャラクターで親しまれており、アーティストとしても活動しています。
サンディー・トクスヴィグ
Sandi Toksvig 1958年5月3日生まれ
作家・コメディアン・放送作家
サンディはブリティッシュベイクオフのシーズン8から、司会として3年間活躍しました。
2020年に番組を降板し、マット・ルーカスが後任となりました。
マット・ルーカス
Matt Lucas 1974年3月5日生まれ
コメディアン・ライター・俳優・脚本家・テレビパーソナリティ
コメディアンとしてキャリアをスタートさせたマットは、出演・脚本を担当したコメディシリーズ『リトル・ブリテン』での活躍が有名です。
映画『アリス・イン・ワンダーランド』ではトゥイードルダムとトゥイードルディー(双子のキャラクター)として出演しています。
マットは2022年に番組を降板し、アリソン・ハモンドが後任になりました。
アリソン・ハモンド
Alison Hammond 1975年2月5日生まれ
テレビタレント・女優
2023年の3月からマット・ルーカスの後任として、ブリティッシュ・ベイクオフの司会を担当しています。
ブリティッシュ・ベイクオフが人気の理由
最初にCMでブリティッシュ・ベイクオフを知った時はピリピリした雰囲気の番組なのかな…と思っていたのですが、一度見たらすっかりハマってしまいました。
国民的番組となったイギリスだけではなく、今は日本でも人気があるブリティッシュ・ベイクオフの人気についてまとめてみました。
- アマチュアベイカーである
出演者は全員アマチュアベイカーで、本業は教師や医療関係、デザイナー、学生、主婦と様々。
自分に近い存在のベイカーがいるとついつい親近感を感じます。
- 競い合う姿がリアル
時間に追われ焦る姿や、時には失敗もあり、ベイカー達のリアルな姿を見ることができます。
- ベイカー達の独創性
プロである審査員たちも『こんな風味の組み合わせがあるなんて!』と驚くようなレシピを考え出すベイカーたち。
仕上がった作品もそれぞれの個性が現れていて、見ていてとても楽しいです。
- 初めて出会うお菓子や知識
日本に住んでいたら知らなかったお菓子もたくさん出てきます。
イギリスの食文化にも興味がわきますし、実際に作って食べてみたい!という気持ちになります。
- 温かい雰囲気
CMではとてもピリついた雰囲気を感じていましたが、実際にはそんなシーンばかりではありません。
ベイカー同士で助け合ったり、審査員が手を貸すシーンもあり、温かみのある雰囲気も魅力です。
メアリーやポールが『お見事』と褒めるシーンは、見ている方も嬉しくなっちゃいます!
- 予想のつかない優勝者
最初はあまり目立たなかったベイカーが、中盤から頭角を現すようなシリーズも。
そんなベイカーの成長も見ることができます。
誰が優勝するのか予想ができないところも、コンテスト番組ならではの面白さです。
メアリーやスー・メルの降板理由は?
番組スタートから出演していた審査員のメアリーと司会のスーとメルは、シーズン7を最後に番組を降板しました。
番組に欠かせない存在だった3人の降板は多くのファンにショックを与えました。
メアリーは、BBCからChannel 4に放送局が変更され、これに伴う契約交渉の過程で降板を選んだとされています。
BBCが番組を放送していた間、彼女は番組の看板審査員としての地位を築いていましたが、新たな放送局への移行に際しての条件や状況が影響したとされています。
降板後のメアリーは、テレビ番組『Mary Berry Everyday』など、自身の料理番組を制作。
料理書の執筆や講演など、その料理の専門知識を活かした活動を続けています。
スーとメルも、Channel 4への放送局の変更と関連して、降板を選択したと言われています。
降板後はTV番組の出演やラジオ番組、司会進行など個々に活躍しているそうです。
事件や炎上とは?
リアルなコンテスト番組のため、過去にはいくつかの炎上や事件もありました。
有名なのが『アイスクリーム事件』です。
アイスを使ったベイクド・アラスカがテーマのチャレンジで、男性ベイカーのイアンがアイスを冷凍庫にしまう際、自分のエリアではない場所にアイスをいれてしまいました。
本来そのエリアを使うはずだった女性ベイカーのダイアナがそのアイスを外に出してしまい、イアンのアイスは外に出しっぱなしに。
その結果アイスは溶け、イアンはアイスをゴミ箱に捨て会場を後にしたため、その審査で脱落してしまいました。
ダイアナは審査を通過しましたが、次の放送回から体調不良を理由に辞退しました。
『日本』をテーマにした週でも、肉まんを日本料理として課題にしたり、『かわいい』をテーマにしたことで、文化を理解していないと批判の声もありました。
優勝者のその後は?
ブリティッシュ・ベイクオフの優勝者たちは独自のキャリアを築き、料理業界で活躍しています。
TV番組に出演する人や料理本を出版する人、お料理教室を主催している人、自身のブランドを立ち上げたりと様々です。
最も成功した優勝者はseason6の優勝者と言われています。(ネタバレになるため名前は伏せます)
気になる方はぜひ、誰が優勝するのか予想しながらseason6を見てみてください。
※下記の『ブリティッシュベイクオフはどこで見れる?』で視聴方法を紹介しています
ブリティッシュベイクオフの日本版
ブリティッシュ・ベイクオフは世界中でリメイク版が制作されていますが、日本でもAmazon Prime Videoでベイクオフ・ジャパン(Bake Off JAPAN)が配信されました。
オーディションで選ばれたベイカー達は、得意なオリジナルレシピでお菓子を作るオリジナルチャレンジ、与えられたレシピをもとに知識や技術を評価するテクニカルチャレンジ、センスや独創性が求められるショーストッパーチャレンジの3つのチャレンジに挑戦します。
審査員は「Toshi Yoroizuka」オーナーシェフである鎧塚俊彦さんと、「メゾン・ランドゥメンヌ」代表の石川芳美さん。
司会進行は女優の坂井真紀さんと、俳優の工藤阿須加さんが担当しています。
ブリティッシュベイクオフはどこで見れる?
ブリティッシュ・ベイクオフは動画配信サイトで見ることができます。
Amazon Prime Video
season1からseason8まで見ることができます。(字幕版)
ベイクオフ・ジャパンはPrime Videoのみで配信されているので、Amazon Prime Videoが一番オススメです。
Amazon Prime Videoは月額プラン600円、年間プラン5,900円で、お試し無料期間は30日です。
Hulu
season1からseason8まで見ることができます。(字幕版)
Huluは月額料金は決済方法で変わります。
通常決済の場合は1,026円、iTunes Store決済の場合は1,050円で、現在はお試し無料期間は無いようです。
U-NEXT
season1からseason7まで見ることができます。(字幕版)
U-NEXTは月額プランが2,189円で、無料トライアルは31日間です。
NHK
NHKではseason3が2023年8月17日まで放送されていました。(吹き替えあり)
現段階ではその後のエピソードの放送予定は出ていませんが、もしかしたら今後season4以降が放送されるかもしれません。
最新情報はNHKの公式HPでご確認ください。
お菓子を作るならマスタークラスもオススメ
マスタークラスは、通常のコンペティション形式ではなく、そのシーズンでテーマとなったお菓子の作り方を審査員であるメアリー・ベリーやポール・ハリウッドが教えてくれるという特別エピソードです。
プロである2人が実際に作っている様子を見ることができ、2人のレシピやテクニックを知れる貴重なエピソードになっています。
お菓子作りの知識はもちろん、2人の軽快なトークも見どころです。
番組を見ていると、『これはどんな味?』『食べてみたい』と感じることがたくさんありますが、日本ではメジャーじゃないお菓子も多いです。
気になるお菓子を見つけたら、ぜひマスタークラスをみて実際に作ってみてください!
ブリティッシュ・ベイクオフに関するリンクはこちら
公式サイト
https://thegreatbritishbakeoff.co.uk/
公式Twitter
https://twitter.com/BritishBakeOff
公式Instagram
https://www.instagram.com/britishbakeoff/
公式YouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/GreatBritishBakeOff