世界には、日本でも定番となったもの、まだ日本ではあまり知られていないもの、日本で誕生したもの、など様々なお菓子が存在します。
今回は、シナモンロールをテーマに、由来や歴史、作り方などをご紹介します。
シナモンロールはどこ生まれのお菓子?
カフェやパン屋さん、スーパーなどでも見かけるシナモンロール。
シナモンパウダーがたっぷりと練り込まれた渦巻状のパンの上に、甘いアイシングがかかっている姿は日本でもおなじみです。
シナモンロールというと映画『かもめ食堂』のイメージもあり、フィンランド発祥と思われるかもしれませんが、発祥はスウェーデン。
日本では甘みの強いイメージがありますが、スウェーデンのシナモンロールはスパイスがしっかりと効いているのが特徴で、『カルダモンが入っていないものは本物として認められない』とも言われるそうです。
シナモンロールの由来・歴史
シナモンロールが生まれたのは第一次世界大戦後の20世紀初頭。
大戦中は食料品の供給が制限されていたため、小麦粉や砂糖などの材料が手に入りにくく、戦後にこれらの材料が流通し始めると、パン職人たちがシナモンを使った菓子パンを考案しました。
当時は材料が高かったため高価なものでしたが、現在ではカフェなどで気軽に食べられる様になり、Fika(フィーカ)に欠かせない存在になりました。
Fika(フィーカ)はコーヒーブレイクのことで、長く寒い冬が続く北欧ではFilaは欠かせません。
Fikaという名前は、コーヒー(kaife)を意味する昔の言葉『kalf』の音をひっくり返してできたスラングなのだそうです。
スウェーデンの他、フィンランド・デンマーク・ノルウェーなどの北欧諸国や、・ドイツ・アメリカ・カナダなどでも親しまれています。
日本では、1999年にアメリカ発のシナボンが日本に上陸したことをきっかけに、広く知られるようになりました。
各国のシナモンロールの違い
日本ではシナモンロールと呼ばれ、渦巻きが見える形で上にアイシングがかかった姿がおなじみですが、北欧ではニブシュガーというザラメのようなお砂糖がかかっているのが主流です。
スウェーデン・フィンランド・デンマークの北欧三カ国ではそれぞれ形も呼び方も違います。
- スウェーデン
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「カネルブッレ」と呼ばれ、ねじって編み込んだような形
- フィンランド
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ビンタされた耳という意味の「コルバプース」と呼ばれ、少し潰れたようなロール型
- デンマーク
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うず巻という意味の「スモースナイル」と呼ばれ、生地はデニッシュ生地
映画『かもめ食堂』で作っていたのは、フィンランドのコルバプースでした。
ちなみに、
- ドイツはZimtschnecken(ツィムシュネッケン)
- フランスはEscargot(エスカルゴ)
- アイスランドはSnúður(スヌーズル)
- エストニアはKanelirull(カネリール?)
など、シナモンロールは色々な名前で親しまれています。
シナモンロールの日とは?
スウェーデンにはシナモンロールを愛する文化が根付いており、10月4日は「シナモンロールの日」とされています。
カフェやパン屋さん、スーパーやコンビニなど、至るところでシナモンロールが販売されていて、この日に売れるシナモンロールの数は700万個以上だそう!
日本でも、IKEAではシナモンロールの日に合わせてシナモンロールクイズなどのイベントを開催していました。
シナモンロールの作り方
シナモンロールは、強力粉とイーストを使ったパン生地とシナモンシュガーなどで作ります。
日本でよく見かけるシナモンロールは、長方形に伸ばした生地にたっぷりのシナモンシュガーをかけ、巻いてからカットします。
DELISH KITCHENの『基本のシナモンロール』のレシピでは、仕上げにアイシングをかけたシナモンロールを作れます。
材料
※DELISH KITCHEN「基本のシナモンロール」より
- 生地
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- 強力粉 250g
- ドライイースト 大さじ1/2
- 砂糖 20g
- 塩 小さじ1/2
- 溶き卵 1個分
- 牛乳 110cc
- バター 30g
- 溶き卵(塗り用) 適量
- フィリング
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- グラニュー糖 大さじ3
- シナモンパウダー 小さじ2
- バター 適量
- アイシング
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- 粉砂糖 60g
- 水 10cc
手順
- ボウルに強力粉・ドライイースト・砂糖・塩・溶き卵を入れ、40℃に温めた牛乳を加えて混ぜる
- 粉気がなくなったら台に出し、手のひらを使って伸ばしながらこねる
- 生地がまとまったらバターを加えて、表面が滑らかになるまでこねる
- ボウルに生地を入れラップをし、生地が倍の大きさになるまで発酵させる
- 生地をガス抜きし丸め、濡れ布巾をかけて15分休ませる
- 麺棒で生地を伸ばし、表面にバターを塗り、グラニュー糖とシナモンパウダーを混ぜたものを広げる
- 生地を手前から巻き、8等分にカットしたものを天板に並べ、40℃で30分程度発酵させる
- 生地の表面に卵液を塗り200℃に予熱したオーブンで12分ほど焼く
- 焼き上がったら粉砂糖と水を混ぜたアイシングをかける
作るときのコツ
ベースになる生地は、1次発酵で倍のサイズになるまでしっかりと発酵させることがポイント。
また、シナモンシュガーをかけた後は、気持ちキツめに巻くことで渦巻きがキレイにできあがりました。
かもめ食堂に出てくるような形を作る場合は、巻いた生地を右斜め・左斜めと交互にカットして台形を作り、短い面を上に向け指や箸で潰して形を作るそうです。
シナモンロールの日持ちは?
シナモンロールは、常温で1~2日、冷凍で1ヶ月ほど日持ちします。
乾燥を防ぐためにラップで包んだり、袋に入れて保存するのがオススメです。
風味が落ちてしまうので冷蔵保存は避け、夏場などの暑い時期は冷凍保存したほうが良さそうです。
今回はシナモンロールについてご紹介しました。
日本でもカルディや成城石井、イケアやコストコのような輸入品を扱うお店や、スターバックスやタリーズなどカフェでも気軽に味わえます。
ぜひコーヒー片手にFikaを楽しんでみてください!