世界には、日本でも定番となったもの、まだ日本ではあまり知られていないもの、日本で誕生したもの、など様々なお菓子が存在します。
今回は、アプフェルシュトゥルーデルをテーマに、由来や歴史、作り方などをご紹介します。
アプフェルシュトゥルーデルはどこ生まれのお菓子?

アプフェルシュトゥルーデル(Apfelstrudel)は、オーストリアおよびドイツの伝統的なお菓子です。
独特な薄い生地でりんごやレーズンなどを巻いて焼いたお菓子で、春巻きのもとになったとも言われています。
マリー・アントワネットの母、マリア・テレジアが好んだお菓子としても知られています。

代表的なフィリングはりんごですが、オーストリアには野菜やお肉を包んで焼いた塩味のシュトゥルーデルもあるそうです。
日本ではメジャーなお菓子ではないですが、映画『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』の中にこのお菓子が登場します。

ヒロインのティナの妹・クイニーが魔法で作るアプフェルシュトゥルーデルを見て、『美味しそう!』と思った人も多いのではないでしょうか。
アプフェルシュトゥルーデルの由来・歴史
シュトゥルーデルはドイツ語で『渦』『渦巻』という意味で、その名の通り薄い生地でフィリングを渦巻きのように巻いて作ります。
その起源はトルコのバクラヴァ。

バターを塗った薄い生地を何枚も重ね、ナッツを包み焼き上げた後、シロップを染み込ませたお菓子です。
バクラヴァは15世紀頃にヨーロッパに渡り、その土地ごとにアレンジがなされ、様々なものを詰めて焼くようになりました。

りんごを使ったシュトゥルーデルは、1696年には手書きのレシピが残っているそうです。
ちなみに、オーストリア・ウィーンのお菓子は細長く作ってカットするという特徴があります。
ハプスブルク家が敬虔なカトリック教徒で、丸型のケーキをカットする際十字を切ることになってしまうため、昔は特別なお菓子にしか丸型にすることを許されなかったと言われています。
アプフェルシュトゥルーデルの作り方

シュトゥルーデルと言えば、印象的なのは薄く伸ばされた生地。
この生地はシュトゥルーデルタイクと呼ばれ、生地の下に新聞紙を置いて読めるくらいの薄さがよいとされています。
「作るのが難しいためプロでも既成品を使う」と言われているそうですが、日本では生地が売られていないので、シュトゥルーデルを食べたい時はぜひ生地作りからチャレンジしてみてください。
シュトゥルーデルの基本的な材料は以下の通りです。
【生地】
- 小麦粉(薄力粉・強力粉)
- 水
- 塩
- サラダ油
【フィリング】
- りんご
- レーズン
- バター
- 砂糖
- パン粉
基本的な作り方は、
- 薄力粉と強力粉に塩・サラダ油・水を入れ混ぜる
- 生地を打ち付けるようにして表面が滑らかになったらサラダ油を塗りラップをして寝かせる
- パン粉をフライパンで炒る
- バターと砂糖を入れて混ぜ、冷ましておく
- テーブルの上に大きな布を敷き、打ち粉をして生地を伸ばす
- 生地が伸びたら溶かしバターを塗り、パン粉・リンゴ・レーズンを広げる
- バターを塗りながら、布を使って生地を巻き上げる
- 両端はねじって閉じる
- 予熱したオーブンで30分程度焼く
焼いている間も表面が乾いてきたら、その都度バターを塗るとパリッとした仕上がりになります。
焼き上がったらカットして粉砂糖をふりかけたり、バニラアイスなどをトッピングして食べるのがおすすめです!
おすすめのレシピ
キューピー3分クッキングやクックパッドなどでもレシピが紹介されています。
DELISH KITCHENではパイ生地を使用したレシピが紹介されています。
手軽に買えるアプフェルシュトゥルーデル
業務スーパーでは「アプフェルシュトゥルーデル生地」という名前でアプフェルシュトゥルーデルを販売しています。
兄が業務スーパーでシュトゥルーデルってのを買ってきた
— 椎名やゆよ (@shiina_yayuyo) January 28, 2024
箱からゴロっとデカいのが出てきて笑っちゃった pic.twitter.com/jLlkevHvi2
こちらは生地だけが入っているのではなく、シナモンやレモン果汁で味付けしたりんごやレーズンをくるんだシュトゥルーデルが入っています。
冷凍状態で売られていて、解凍後オーブンで焼くだけで手軽にシュトゥルーデルを味わうことができます。
見かけたらぜひ買ってみてください。
今回はアプフェルシュトゥルーデルについてご紹介しました。
パイ生地で作るアップルパイとはまた違った食感が楽しめるアプフェルシュトゥルーデル。
少し難易度高めではありますが、興味がある方はぜひ手作りして、オーストリアの家庭の味を体験してみてください!