腕利きのアマチュアベイカーたちが、ベイキングの腕を競うイギリスの人気番組『ブリティッシュ・ベイクオフ』。
今回はシーズン1の第5週、【ペイストリー】がテーマの回をご紹介します。
今回のエピソードでは、
- オリジナルセイボリーパイ
- コーニッシュパスティ
- 3種のペイストリーのセット2種
という3つのチャレンジに挑みました。
番組の流れ
各エピソードは3つのチャレンジから構成されています。
- オリジナルチャレンジ:参加者が事前に準備した自分のレシピで作るチャレンジ
- テクニカルチャレンジ:審査員が用意した最小限の指示だけで全員が同じレシピに挑むチャレンジ
- マスターピースチャレンジ:技術と創造性の集大成となる複雑なお菓子作りのチャレンジ
3つのチャレンジの後、その週の脱落者が発表されます。
それでは、実際の様子を見ていきましょう!
審査員・司会者

審査員
メアリー・ベリー

審査員
ポール・ハリウッド

司会
スー・パーキンス

司会
メル・ギェドロイツ
シーズン1のベイカー達

エド
(銀行の債権回収担当)

ジャス
(アシスタントクレジット管理)

ミランダ
(2児のママ/主婦)

ルース
(3児のママ/主婦)

チャレンジ①【オリジナルセイボリーパイ】

第5週の会場は、コーンウォール最西端の漁村・マウゼル。
5週目最初のチャレンジは、オリジナルセイボリーパイです。
審査するのは、料理作家のメアリ・ベリーと一流ベイカーのポール・ハリウッド。

このチャレンジに対しメアリーは「上面と底の生地をきちんと焼く必要がある」と話し、ポールも「黄金色の焼き色が理想だ。上面がサクサクで具が美味しくても、底がベチャベチャではすべてが台無しだ。」と話しました。
底の食感が今回の審査のポイントになりそうです。
作品と評価

エドが作ったのは、鶏肉・ハム・ニラネギ・タラゴンのパイ。
表面のグレーズが少なかったため、「もっと卵黄を塗っていればきれいな焼き色が出た」とポールから指摘されました。
しかし、底はきれいに焼けていて、調味料の使い方が絶妙だと高評価を受けました。

ジャスが作ったのは、鶏肉とキノコのパイ。
これまで斬新なレシピを披露してきたジャスだったので、ポールは「派手な演出を期待していたんだけどな」と話していましたが、今回は定番メニューで勝負。
焼き色が見事だと褒められましたが、底は十分に焼けておらずベチャベチャの底だと言われてしまいました。
味は淡白だけど具材とソースの割合はよく、底も焼けていたら文句はなかったと言われました。

ルースが作ったのは、牛ひき肉のパイ。
ルースも斬新なパイではなく古典的なパイで勝負しました。
メアリーからは「家で作るには十分だけど、彼女にしては無難すぎる」と言われ、ポールも「生地が分厚いから火が通りにくい。底がベチャベチャで生焼けになるかも。」と話していました。
しかし、出来上がったパイは焼き色が良く、見栄えは最高と高評価。
ソースの分量もよく、底もきれいに焼けており、味もすばらしいと褒められました。

ミランダが作ったのは、サーモン・タラ・小エビを使った夏のパイ。
4人の中で唯一、底と上面で2種類のパイ生地を作りました。
上面はきれいに仕上がっていたものの、底は生焼けで、フィリングは「調味料が足りず淡白で物足りない」と厳しい評価となりました。
メアリーからは「人には振る舞えない」と言われてしまいました。
オリジナルチャレンジでは、エドとルースが高評価。
一方、ジャスとミランダは厳しい評価となりました。
チャレンジ②【コーニッシュパスティ】
次に行われたテクニカルチャレンジの課題は、コーニッシュパスティ。
肉や野菜を詰めた半月状のパイで、炭鉱で食されていました。
レシピは与えられますが、分量・手順が簡略化されており、それぞれのベイカーがそのレシピを読み解き、自分の技量で仕上げなければなりません。

生地にはショートクラストを使いますが、通常より油分が少なく、強度が出るようしっかりこねる必要があります。
また、生地の厚みも重要です。
薄すぎると破れるリスクがあり、厚すぎるとフィリングに火が通らない可能性があります。

中に詰めるフィリングは、パスティが有名なマウゼル(今回の会場)では、牛肉・玉ねぎ・カブ・イモを使います。
ジャスは具材を使い切るため、フィリングをたっぷりと詰め込みました。

ツヤと焼き色の美しさも勝敗を左右する大事なポイント。
生地の焼け具合を見極めてオーブンから取り出します。
順位

今回は全体的に出来が良く、ポールも「みんな基準は超えてきたね」と話しました。
今回も底がしっかり焼けているか、生地の厚みや食感、具材に火が通っているかなどを審査されました。
| 順位 | ベイカー |
|---|---|
| 1位 | ミランダ |
| 2位 | エド |
| 3位 | ルース |
| 4位 | ジャス |
メアリーが「みんな見事だった」と言うくらいレベルの高い戦いでした。
終了後、ミランダは「味が評価されるかが不安だった。すごくうれしい。」、エドは「1位〜4位までの差はあまりなかったと思う。全員が誇りに思っていい出来だ。」と喜びを語りました。
ルースは、「明日が楽しみだけど、災難が起きてすべてが台無しになるかも。」、ジャスは「最後の一押しになるから全力で頑張るわ。最後のチャレンジで失敗したら、私にはもうあとがない。」と最後のチャレンジに向けて不安や意気込みを語りました。
チャレンジ③【3種のペイストリーのセット2種】

最後に行われるマスターピースチャレンジの課題は、3種のペイストリーの大皿を2種類作ること。
1つはセイボリーパイ、もう1つは甘いタルトの大皿です。
数種の生地作りやフィリング作りなどを同時進行で行うため難易度が高く、また味や見た目、レシピの独創性も問われます。
作品と評価

まずはミランダの作品から。
2種類のチョコレートペイストリーは仕上がりに差があり、オレンジチーズケーキの方は「生地が厚い」「材料の組み合わせがくどい」と言われてしまいました。
一方キャラメル菓子を散りばめたチョコレートガナッシュの方は「最高」と高評価。

大皿いっぱいに並んだセイボリーの方は、ポールから「洗練されてない」と指摘されました。
リゾットのカナッペは「よく焼けていて完璧な味付けだ」と高評価。
そら豆とドライトマトのパートのパイは「披露宴にピッタリ」と言われました。

次はエドの作品。
カードに果物を入れたタルトは「味が気に入った」と高評価。
ジンジャーを入れたチョコレートタルトには金箔をのせ、見た目も味もリッチな仕上がりに。
ポールから「どれも上出来だ」と褒められます。

セイボリーの方は、赤と黄色のピーマンのタルトやアスパラガスやチーズを使ったキッシュなどを作りました。
ポールから「味が素晴らしい」、メアリーからは「得意なのね」と言われ、全体的に高評価となりました。

次ルースの作品。
ラズベリーとチョコレートのタルトは「相性が抜群」、ブリュレのタルトは「これは驚くほど美味しい」「生地も美しい」と絶賛されます。

セイボリーの方も、メリハリがあり清潔感のある見た目が褒められました。
アスパラガスに生地を巻き付けたパイは、ポールから「風変わりだけど上手く仕上げた。素晴らしい出来だ。」と全体的に高評価でした。

最後はジャスの作品。
「淡白にしたくなくて刺激の強い品を揃えた」と話すジャスのタルトは、薄くて底もしっかり焼けていて「きれいな生地」と褒められました。
ニンジンと練乳を使ったデザートを乗せたタルトは「成功だ」、フルーツのタルトは「誰よりも生地が薄く、カスタードも安定していて一番の出来だ」と高評価。

セイボリーの方は「均一な仕上がり」「見た目は最高」と評価されましたが、底が焼けておらず、ショウガは他の風味の邪魔をしていると指摘されました。
焼きトマトとスイートチリソースのカナッペは好評でした。
結果発表
シーズン1ではスターベイカーの発表はなく、脱落者が1人選ばれました。
脱落者

残念ながら、ジャスが脱落となりました。
これまで数々の驚くべき作品で審査員を魅了してきたジャスに、ポールは「残念だ」、メアリーは「誇りに思うわ」と言葉を送りました。
ジャス自身も「自分を誇らしく思う。決勝に残りたかったけど、涙は流さないわ。ベイキングへの意欲はこれまで以上に増してる。」と、前向きな気持ちを語りました。
同じく脱落候補に挙がっていたのはミランダ。
審査員が「僅差だ」と語るほどの接戦でしたが、最終的にはパスティの順位で明暗が分かれる結果となりました。
今回はブリティッシュ・ベイクオフ シーズン1の第5週をご紹介しました。
ついに決勝に進む3人が決定しました。
次回は、シーズン1の第6週・ガーデンパーティー(決勝)を紹介します。


