マスタークラスとは?
イギリスの人気番組『ブリティッシュ・ベイクオフ』には、コンテスト本編の後に放送される特別企画「マスタークラス」があります。


このマスタークラスでは、厳しい審査で知られるメアリー・ベリーとポール・ハリウッドが、コンテストで出題された課題のお菓子を自ら作りながら、その極意をわかりやすく解説してくれます。
今回は、そんなマスタークラスで紹介された3つのお菓子についてご紹介します。

ポールのソーセージプラット

ポールが「貧乏人のビーフウエリントンか豪華なソーセージロール」と表現したセイボリーパイ。
格子状のペイストリーにソーセージなどを詰め込んだ見た目も美しい一品です。
材料
パフペイストリー
- 中力粉:600g
- 塩:ひとつまみ
- 無塩バター:100g(生地用)
- 冷たいバター:200g(折り込み用)
- 冷水:適量
フィリング
- ブラウンマッシュルーム:300g
- タイム:ひとつかみ
- 塩:ひとつまみ
- 赤玉ねぎ:2個
- ひまわり油:適量
- バター:少し
- ブラウンシュガー:小さじ2
- シェリービネガー:大さじ1
- ソーセージ:300g
- ブラックプディング:100g
その他
- 溶き卵:適量
- ごま:適量
作り方
- 【パフペイストリー作り】
ボウルに中力粉600g、塩ひとつまみ、無塩バター100gをちぎって入れ、手を使って混ぜ合わせる - 冷たいバター200gをすりおろす
- ①に水を少し加えて手で混ぜていく
- 更に水を足し、まとまったら台の上に出しこねてまとめる
- 生地を長方形に伸ばし、生地の2/3にすりおろしたバターをのせ、三つ折りにする(バターが出ないよう両端をつまんで閉じる)
- 小麦粉をまぶし、麺棒で軽く押さえて中のバターを均等にする
- 10~12mmの厚さに伸ばしたら、また三つ折りにしてラップで包み冷蔵庫で休ませる
- 【フィリング作り】
ブラウンマッシュルーム300g、タイムひとつかみ、塩ひとつまみを入れフードプロセッサーで細かく刻む - 鍋に入れて火にかけ、水分を飛ばす
- 赤玉ねぎ2個を薄切りにし、マッシュルームは皿に出しておく
- 鍋にひまわり油、バター少しとブラウンシュガー小さじ2、薄切りにした赤玉ねぎを弱火で20分ほど炒める
- シェリービネガー大さじ1を加え、火からおろし冷ます
- ソーセージ300gの皮を取ってボウルに入れ、ブラックプディング100gを細かく切って入れ、よく混ぜる
- 【組み立て】
冷やしておいたパフペイストリーを打ち粉をした台に出し、伸ばして三つ折りを2回繰り返し、ラップをしてさらに冷蔵庫で30分冷やす - 冷やした生地を伸ばし12個の長方形に切る
- 生地の中央にマッシュルームを置き、ソーセージの肉を12等分しマッシュルームの上にのせる
- さらに赤玉ねぎを少しのせ、生地の四隅をV字型に切り取る(上下左右が魚のヒレみたいな形になる)
- 生地の短い方を具の上に被せ、長い方は細めに切込みを入れ、交互に具の上に被せていく
- すべて作り終えたら、表面に溶き卵を塗り全体にごまを振る
- 180度のコンベクションオーブンで30分焼く
感想
ポール「ブラックプディングに赤玉ねぎにマッシュルーム、タイムの味もする」
メアリー「風味豊かでおいしい」
ポールのクイニーアマン

メアリーも「難しい課題だった。名前も知らなかったわ」と語ったクイニーアマンは、イーストとバターと砂糖を使い、マフィンサイズに焼き上げる技術的に高度なお菓子です。
ポールは「ベイカーたちが”折り込み“を知ってるか試したんだ」と説明していました。
材料
生地
- 強力粉:300g
- インスタントドライイースト:5g
- 塩:5g
- 溶かしたバター:25g
- 水:200ml
折り込み用
- バター:250g
- 上白糖:100g
仕上げ用
- 砂糖:適量
作り方
- 【生地作り】
ボウルに強力粉300g、インスタントドライイースト5g、塩5gを入れ、溶かしたバター25gを注ぎ、水200mlのうち少しを入れる - 少し打ち粉をして、まとまった生地を4〜5分ほどこね続ける
- ボウルに入れラップをし、しばらく室温においておく
- 【折り込み作業】
膨らんだ生地を打ち粉をした台の上に乗せ、正方形に伸ばす - 伸ばした生地の上に、平たくしたバター250gを生地に対して斜めに乗せる
- バターが乗っていない四角の生地をバターにかぶせるように折りたたむ(バターが隠れるように)
- 麺棒を弾ませながら押し当て、少し薄くなったら麺棒を転がし長めの長方形にする
- 3分の1ずつ畳み三つ折りにする
- ラップで包み冷蔵庫で冷やす
- ⑧⑨を繰り返す
- 冷蔵庫から生地を出したら再度長方形に伸ばし、生地に上白糖100gを振りかける
- 砂糖の上に麺棒を転がし三つ折りにする
- 【成形・焼成】
生地を縦30×横40cmに伸ばし、12枚の正方形になるようにカットする - カットした生地の向かい合う2つの角を持ち上げ小包のような形にし、油を塗ったマフィン型に入れる
- 室温で30分休ませてから砂糖をふりかけ、200℃のコンベクションオーブンで約30分焼く
感想
ポール「クイニーアマンの完成だ。サクサクだ。手間をかけた甲斐があるね」
メアリー「本当にサクサク。砂糖がちょうどいいわ」
レモンとラズベリーのエクレア

メアリーが手がけるエクレアは、レモンとラズベリーのフレーバーにレモンアイシングとチョコで彩り豊かに仕上げます。
材料
シュー生地
- 水:150ml
- バター:50g
- 中力粉:65g
- 溶き卵:2個
アイシング
- 粉砂糖:400g
- レモン汁:1/2個分
- 食用色素(ピンク・レモン色):適量
フィリング
- ダブルクリーム:600ml
- ラズベリーパウダー:大さじ2
- レモンカード:大さじ6
飾り用
- チョコレート:適量
- ホワイトチョコレート:適量
作り方
- 【シュー生地作り】
鍋に水150ml、バター50gを加え、火にかけて溶かす - 水とバターが沸騰したら中力粉65gを一度に全部入れ、よく混ぜる
- 滑らかにまとまったら火から下ろし、軽く混ぜて熱を逃がす
- 溶き卵2個を少しずつ加えて混ぜる
- 絞り袋に10mmの口金をセットする
- 油を塗った鉄板に、十分に間隔をあけて15cmずつ絞り出す
- オーブンに入れる前に蒸気が発生するよう霧吹きで全体に水をかける
- 200℃のコンベクションオーブンで10分焼いた後、170℃でさらに20分焼く
- 冷めたら真ん中で半分に切る
- 【アイシング作り】
粉砂糖400gとレモン汁1/2個分を混ぜる(水分が少なかったらレモン汁を足す) - アイシングを2つのボウルに分け、片方に食用色素を入れピンク色にする
- もう片方のアイシングはレモン色にする
- それぞれのアイシングを絞り袋に入れ、エクレア生地の上に絞り出し、濡らしたパレットナイフでアイシングをならす
- 【フィリング作り】
ダブルクリーム600mlを泡立てる - 泡立てたクリームを2つに分け、片方にラズベリーパウダー大さじ2、もう片方にはレモンカード大さじ6を入れ混ぜ合わせる
- それぞれ絞り袋に入れ、エクレアの内側に絞り出す
- アイシングをのせた上側の生地を被せる
- 【仕上げ】
溶かしたチョコレート(チョコレート・ホワイトチョコの2種類)を絞り袋に入れ、お好みの模様で飾る - チョコが固まるまで少しおいておく
感想
メアリー「レモンアイシングもクリームもおいしい。シュー皮の食感もいいわ」
ポール「ラズベリーのクリームも酸味が効いててうまい。味は全然違うが両方とも素晴らしい」
まとめ
今回は、第7週ペイストリーの回で登場したお菓子の作り方をまとめてみました。
ソーセージプラットでは、
「パフペイストリーを作る前に小麦粉を冷やす(バターも冷やすから生地が冷たく保たれ、より折り畳める)」
またクイニーアマンでは、
「イーストは端の方に入れ、塩に直接触れさせない(発酵が妨げられるため)」
「砂糖は早い段階で入れると溶けてしまうため最後に入れる。生地を折った後冷凍して、使う前に解凍し砂糖を入れてもよい」
エクレアでは、
「最初に高温で焼き、温度を下げて水分を飛ばすのがコツ」
など、具体的なポイントを学ぶことができました。
ご家庭でもぜひ挑戦してみてください!